投資家が英語記事などでソニーの「fiscal 2027」を調べる場合、まず年度の呼び方をそろえておきたい。ソニーの資料では、2027年3月31日に終わる期はFY2026。一方、市場報道では暦年の終わり方から「2027年3月までの年度」と表現されることがある [19][
8]。日本語で読むなら、「2027年3月期(ソニー表記ではFY2026)」と考えるのが分かりやすい。
今回のポイントは、売上を大きく伸ばすというより、利益率を引き上げて営業利益を伸ばす計画であることだ。さらに、株主還元では上限5000億円の自社株買いが目を引く [8]。
利益見通し:営業利益は1兆6000億円へ
ソニーは2027年3月31日までの1年間について、営業利益を1兆6000億円と予想している。FY2025実績から1525億円、率にして11%の増加だ [19]。直前期にあたる2026年3月期、つまりFY2025の営業利益は1兆4475億円で、前期比13%増だった [
17][
19]。
ただし、増収を前提にした見通しではない。2027年3月期の売上高予想は12兆3000億円で、FY2025の12兆4796億円から1%減。一方で、営業利益率は11.6%から13.0%へ改善する見通しとなっている [19]。
ソニーの資料を基に整理すると、主な数字は次の通りだ [19]。
| 指標 | FY2025実績(2026年3月期) | FY2026予想(2027年3月期) |
|---|---|---|
| 売上高 | 12兆4796億円(+4%) | 12兆3000億円(-1%) |
| 営業利益 | 1兆4475億円(+13%) | 1兆6000億円(+11%) |
| 営業利益率 | 11.6% | 13.0% |
利益を支えた事業
ソニーはFY2025について、継続事業ベースの売上高と営業利益がいずれも過去最高だったとしている [17]。Japan Timesは、終了した年度の収益性改善には音楽事業とスマートフォン向けイメージセンサー事業が大きく貢献したと報じた [
8]。
このため、2027年3月期見通しの読みどころは、単なる増益予想にとどまらない。売上高は1%減を見込む一方で、営業利益は11%増、営業利益率は13.0%へ上がる計画であり、収益性の改善が焦点になる [19]。
株主還元:自社株買いと配当
資本還元で最も大きい施策は自己株取得だ。ソニーは自社株を上限5000億円、約32億ドル分買い戻すとした [8]。同社IRサイトにも、2026年5月8日付で普通株式の取得枠設定と自己株式消却に関する通知が掲載されており、取締役会で取得枠の設定を決議したと記されている [
20][
21]。
配当も引き続き株主還元の柱となる。FY2025について、ソニーの資料は年間配当を1株25円、中間12.5円・期末12.5円と示している。これは株式分割調整後で前期比5円の増配にあたる [17][
19]。連結業績概要では、配当支払開始予定日を2026年6月1日としている [
1]。
要点
「fiscal 2027」が2027年3月期を指すなら、ソニーの営業利益見通しは1兆6000億円で、FY2025比約11%増となる [19]。売上高は小幅減でも営業利益率を13.0%に引き上げる計画であり、株主還元では上限5000億円の自己株取得が中心になる。配当も継続され、直近完了期の年間配当は1株25円だった [
8][
17][
19]。





