ただし、拡散した「76銘柄すべてを売った」という部分は別です。この表現はBitcoinsistemi系の記事や、その転載・配信記事に見られますが、今回確認できるオンチェーン監視の要約だけでは、76の各トークン契約、各売却、残高ゼロまでを一覧で検証した完全なウォレット監査とは言えません 。
| 主張 | 判定 | 根拠 |
|---|---|---|
| vitalik.ethが2026年4月下旬に、無料で受け取ったミームトークンを売却していた。 | 支持される | Lookonchainベースの報道は、vitalik.ethが無料で受け取ったミームトークンを継続的に売却し、24時間で114,566 USDCと155 ETHを受け取ったと伝えた 。 |
| 売却額は後に231 ETHと114,566 USDCに達した。 | 複数メディアが報道 | PhemexはOnchain Lensを引用し、Buterin氏が贈与トークンを231 ETH、約52万9,000ドル相当と114,566 USDCに交換したと報じた 。 |
| 関連ウォレットは0xd8dA6BF26964aF9D7eEd9e03E53415D37aA96045だった。 | 報道あり | Phemexはこのフルアドレスを掲載し、Onchain Lens関連のプロフィールも同じアドレスと231 ETH・114,566 USDCの数字を記載している 。 |
| Buterin氏が「贈られた76銘柄すべて」を売却した。 | 今回の資料だけでは未確定 | 「76銘柄」の表現は暗号資産ニュースの見出しや転載記事に出ているが、入手できる監視要約だけでは正確な銘柄数と残高ゼロまでは独立に証明できない 。 |
| Buterin氏本人がこれを「spring cleaning」と呼んだ。 | 本人発言としては確認できない | この表現は記事側の見出し・比喩として使われており、確認した報道内ではButerin氏の直接発言として示されていない 。 |
確認できる流れの出発点は、2026年4月29日の報道です。PANewsはOnchain Lensの監視情報を引用し、Buterin氏が贈与として受け取ったMEMEトークンの売却を始め、4,000万ASTEROID-2トークンを売って114,566 USDCを受け取ったと伝えました。同記事は、さらに贈与トークンの売却が続く可能性にも触れています 。
翌4月30日、Lookonchainはvitalik.ethが無料で受け取ったミームトークンを継続的に売却しており、過去24時間で114,566 USDCと155 ETH、合計約35万5,000ドル相当を受け取ったと報告しました 。KuCoinとPANewsも、Lookonchain監視を根拠として同じ24時間の数字を伝えています 。
5月2日には、報告された累計額がさらに大きくなります。Phemexは、Buterin氏が贈与トークンの売却を続け、これまでに231 ETH、約52万9,000ドル相当と114,566 USDCに交換したと報じました 。関連するPhemexの記事は、取引に関係するウォレットとして0xd8dA6BF26964aF9D7eEd9e03E53415D37aA96045を挙げています 。
問題は、売却の有無ではなく、見出しの精度です。Bitcoinsistemiの記事タイトルは、Buterin氏がウォレット内の76銘柄をすべて売却したと表現し、Cryptonews.netやMEXCなどの転載・配信でも同じ趣旨が繰り返されています 。これらの記事も、売却益として231 ETHと114,566 USDCという数字を使っています 。
しかし、「76銘柄すべて」を厳密に確認するには、少なくとも各トークン契約の特定、それぞれが本当に一方的に送られた、または贈与されたものかの確認、各売却とETH・USDCの受取額の対応、そして対象残高が残っていないことの確認が必要です。今回の資料が強く示しているのは、「多数の贈与・ミームトークンが売却された」という点です。「ぴったり76銘柄、しかも全銘柄」とまでは、見出しだけで確定できません。
ここでいう贈与トークンは、Buterin氏がこの取引のために購入した資産というより、同氏のウォレットに送られてきたトークンを指しています。Lookonchainベースの報道はこれらを無料で受け取ったミームトークンと表現し 、PANewsもASTEROID-2の売却について、Buterin氏が贈与として受け取ったミームトークンに関するものだと説明しています 。
著名なウォレットにトークンが送られること自体は、暗号資産業界では珍しい文脈ではありません。CryptoRankやMEXCは、開発者が注目を集める目的で影響力のあるウォレットにトークンをエアドロップすることがあり、Buterin氏のウォレットもそのようなトークンの受け取り先として知られていると説明しています 。
過去にも、Buterin氏に関連づけられたウォレットが、送られてきたミームコインやアルトコインを売却したと報じられた例があります。DLNewsは2025年1月、Arkham IntelligenceがButerin氏のものとしたウォレットが、数か月の間に送られてきた28のミームコインを売却したと報道しました 。また、Binance Squareの2023年の記事はLookonchainを引用し、Buterin氏が70万ドル超相当の各種アルトコインをETHに換えたと伝えています 。
現時点で最も安全な言い方は、こうです。Buterin氏のvitalik.ethウォレットは、2026年4月下旬から5月上旬にかけて、無料で受け取ったミームトークンや贈与トークンを多数売却したと報じられた。売却額は4月30日の24時間で114,566 USDCと155 ETH、後続報道では累計231 ETHと114,566 USDCとされた 。
一方で、拡散した「贈られた76銘柄すべてを売却した」「spring cleaningだった」という形の主張は、一部事実にとどめて読むべきです。売却活動自体は複数のオンチェーン監視ベースの報道で裏づけられていますが、正確な銘柄数と「spring cleaning」という本人発言は、今回確認できる資料では確定していません 。