ところが2026年第1四半期は、前年比0.1%増の3,700万台にとどまった。前四半期比では、通常の季節要因に沿って出荷が減少したともOmdiaは説明している 。年末商戦後に出荷が落ちること自体は珍しくないが、問題は前年同期比でもほとんど伸びなかった点にある。
Omdiaは、今回の小幅増がエンドユーザー需要の強さではなく在庫積み増しに大きく支えられたとし、需要見通しの弱さを示していると説明している 。そのため、0.1%増という数字をそのまま「買い替え需要の回復」と読むのは早い。
PCメーカーはノートPCやデスクトップを優先し、スマートフォンとタブレットの両方を扱う企業はスマートフォンにより注力しているという 。タブレットは便利な端末であり続けているが、メーカーの経営資源を最優先で集めるカテゴリーではなくなりつつある。
一方、低価格・大量販売のモデルは厳しい。Omdiaは、販促やさらなる値上げの余地が限られているうえ、PC市場で見られるWindows 10サポート終了のような大きな買い替え要因がタブレットにはないと指摘している 。
今回の数字から見えるのは、タブレット市場が全面的な拡大局面に戻ったわけではないということだ。むしろ、各社は売れる価格帯、地域、用途を見極めて、選択的に戦っている。
プレミアム機への注力はその代表例だ。Omdiaは、量販市場よりプレミアム領域の需要が堅調だとしており、各社の焦点もそこへ向かっている 。Appleがほぼ横ばいの市場で伸びた一方、低価格帯を含む量販セグメントには重い圧力が残っている
。
また、Huaweiのアジア太平洋地域での拡大や、Lenovoの教育向け導入は、全体需要が弱くても局地的な成長機会があることを示している 。ただし、それは市場全体を押し上げるほどの広がりにはまだなっていない。
今後の焦点は、単純に出荷台数が増えるかどうかだけではない。メーカーがどこで利益を守れるのか、プレミアム機で需要をつかめるのか、教育向けや地域別の需要をどこまで取り込めるのかが重要になる。
結論として、2026年第1四半期の0.1%増は、力強い買い替えサイクルの始まりではない。実態は、在庫積み増しに支えられた横ばいであり、タブレット市場は量販モデルの苦戦とプレミアム機の相対的な底堅さが同時に進む局面に入っている 。