DeepSeekを情報収集に使うときのコツは、「答えをもらう」よりも「何を調べればよいかを整理してもらう」ことです。DeepSeek公式サイトには、DeepSeek Chat、アプリ、Open Platform/APIへの導線があります[9]。またAPIドキュメントでは、DeepSeek APIはOpenAI互換の形式を使い、
base_urlはhttps://api.deepseek.com、OpenAI互換エコシステム向けにはhttps://api.deepseek.com/v1も使えると説明されています。[10]
ただし、重要な前提があります。DeepSeekの利用規約では、モデルの回答はユーザーの入力情報「Inputs」に基づいて計算・推論される「Outputs」であり、テキスト、表、コードなどを含むと説明されています。[3] つまり、記事、レポート、社内資料、公開前の文書などで使う場合、DeepSeekは「検証計画を立てる道具」であって、「最終的な事実の根拠」ではありません。
まず選ぶ:Web、アプリ、APIのどれを使うか
| 目的 | 向いている使い方 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 質問、要約、翻訳、下書き | DeepSeek Chat | ブラウザで素早く試したいとき。公式サイトからDeepSeek Chatにアクセスできます。[ |
| スマートフォンで使う | DeepSeek App | 移動中やモバイル端末で使いたいとき。公式サイトにはアプリへの導線があります。[ |
| 業務ツールやワークフローに組み込む | DeepSeek Open Platform/API | コードからモデルを呼び出したいとき。APIはOpenAI互換形式で、公式のbase_urlが示されています。[ |
ファクトチェック目的なら、最初はWeb版やアプリでプロンプトと手順を試すのが現実的です。たとえば「記事の段落を検証可能な主張に分解する」「確認すべき一次情報の種類を洗い出す」といった手順が固まってから、APIで社内ツールや文書処理パイプラインに組み込むとよいでしょう。[9][
10]
DeepSeekで情報を検証する5ステップ
DeepSeekには、読む、分類する、整理する作業を任せます。一方で、正しいかどうかの最終判断は、あなたが直接開いて確認できる情報源に基づいて行います。
- 調べる範囲を明確にする。 テーマ、対象期間、地域、言語、確認したい情報の種類、希望する出力形式を伝えます。
- 検証可能な主張に分解させる。 各主張に、誰が、何をしたのか、いつ、どこで、どの数字や引用に関係するのかを含めます。
- 照合すべき情報源の種類を出させる。 公式資料、原報告書、法令・規制文書、公開データ、関係組織の発表、一次情報を引用した報道などに分けます。
- 結論を出す前に、情報源を直接開く。 モデルの回答だけを根拠として引用せず、実際に読める情報源で確認できた内容だけを使います。
- 再現性が必要なら、利用経路とモデルを記録する。 APIドキュメントでは、API版はAPP/WEB版とは異なると説明されています。比較や監査が必要な場合は、Web、アプリ、APIのどれを使ったかを残しておくと安全です。[
10]
最初に使いやすいプロンプトは、次の形です。
次のテーマについて、情報収集とファクトチェックを行いたいです。
テーマ:[ここにテーマを書く]
このテーマを、検証可能な主張に分解してください。
各主張について、以下を表にしてください。
- 確認すべき内容
- 開くべき情報源の種類
- 検索キーワード案
- AIの推論だけに頼った場合のリスクそのまま使えるプロンプト例
「この話は本当ですか?」と聞くよりも、表やチェックリストに落とし込ませた方が、あとで人間が確認しやすくなります。
1. 検索クエリを作る
次のテーマを検証するための検索クエリを10個作ってください。
テーマ:[ここにテーマを書く]
次の4分類に分けてください。
1. 公式情報
2. 原報告書・公開データ
3. 報道記事
4. 反論・異なる見解
各クエリについて、どのような検索結果を優先して開くべきかも説明してください。2. 文章から主張を抜き出す
以下の文章を読み、事実として正誤を確認できる主張を列挙してください。
各主張について、次の項目を表にしてください。
- 誰が
- 何をしたか
- いつ
- 関係する数字・引用
- 公開前に照合すべき情報源の種類
文章:
[ここに文章を貼る]3. 2つの情報源を比較する
これから、2つの異なる情報源から抜粋した文章を貼ります。
次の観点で比較してください。
- 一致している点
- 矛盾している点
- 日付や条件が不足している点
- 事実ではなく解釈になっている文
- 一次情報で確認すべき文
情報源A:
[ここに貼る]
情報源B:
[ここに貼る]4. 公開前チェックリストに変換する
上記の主張を、公開前のファクトチェック用チェックリストにしてください。
列は次の形式にしてください。
主張 | 開くべき情報源 | 検証状況 | リスク | 編集メモ
直接確認できる情報源がない場合は、正しい・誤りと断定しないでください。APIで自動化する場合
DeepSeekをチャットボット、Webサイト、社内ツール、文書処理フローに組み込みたい場合は、手作業ではなくOpen Platform/APIを使います。DeepSeekのAPIドキュメントでは、APIはOpenAI互換形式で、設定を変更すればOpenAI SDKやOpenAI API互換ソフトウェアから利用できると説明されています。base_urlはhttps://api.deepseek.com、OpenAI互換のためにhttps://api.deepseek.com/v1も使えます。[10]
DeepSeekのドキュメントには、認証設定のページ[1]と、会話形式の応答を作るCreate Chat Completionのページ[
2]もあります。Pythonで書くと、基本形は次のようになります。
from openai import OpenAI
client = OpenAI(
api_key='DEEPSEEK_API_KEY',
base_url='https://api.deepseek.com'
)
response = client.chat.completions.create(
model='deepseek-chat',
messages=[
{'role': 'system', 'content': 'あなたは文章を検証可能な主張に分解する補助者です。'},
{'role': 'user', 'content': '次の文章を、主張、照合すべき情報源、検証リスクに分けてください:...'}
]
)
print(response.choices[0].message.content)このコードはあくまで実装のひな型です。実際のプロダクトや業務システムに入れる前に、認証方法、パラメータ、モデル名、エンドポイントを公式APIドキュメントで確認してください。[1][
2][
10]
deepseek-chatとdeepseek-reasonerの選び方
APIドキュメントでは、deepseek-chatとdeepseek-reasonerはいずれもDeepSeek-V3.2に対応し、128Kのコンテキスト上限を持ち、APP/WEB版とは異なると説明されています。[10] また、
deepseek-chatは「non-thinking mode」、deepseek-reasonerは推論モードとして説明されています。[10]
実務では、次のように使い分けると整理しやすくなります。
deepseek-chatを使う場面:要約、分類、下書き、翻訳、単純なチェックリスト作成など。deepseek-reasonerを使う場面:複数段階の分析、論点の比較、複雑な推論の分解など。- モデル名をログに残す場面:後から同じ処理を再現したいとき、監査や品質確認が必要なとき。API版がAPP/WEB版と異なる点は、記録しておく価値があります。[
10]
データと利用規約で注意したいこと
業務でDeepSeekを使う場合、特にAPI経由で使う場合は、機密情報、顧客情報、未公開資料を送る前に、利用規約と社内ルールを確認してください。DeepSeekの利用規約では、ユーザーが入力する情報を「Inputs」、モデルが返す内容を「Outputs」と呼び、Outputsにはテキスト、表、コードなどが含まれると説明されています。[3]
同規約では、法令・コンプライアンス上の要求を満たすため、サービス利用行動を技術的手段で確認することがあり、リスクフィルタリングの仕組みなども含まれるとされています。[3] さらにOpen Platformの規約では、利用者とエンドユーザーの双方がDeepSeek Terms of Useを遵守するよう求めています。[
7] エンドユーザーがいるサービスに組み込む場合は、APIへ送るデータ、ユーザーへの説明、運用上の責任を事前に点検しておきましょう。[
7]
公開前のチェックリスト
DeepSeekの出力を記事、報告書、公開資料に使う前に、少なくとも次の点を確認します。
- 数字、日付、固有名詞、引用のそれぞれに、直接確認できる情報源があるか。
- モデルの推論にすぎない文を、事実のように書いていないか。
- 照合した情報源は、原資料、公式発表、公開データなど、目的に合った一次情報に近いものか。
- 再現性が必要な場合、DeepSeekのWeb、アプリ、APIのどれを使ったか、どのモデルを使ったかを記録したか。[
10]
- DeepSeekに入力したデータは、利用規約、社内ポリシー、エンドユーザーへの義務に照らして問題ないか。[
3][
7]
まとめ
DeepSeekを情報収集と検証に使うなら、役割を分けるのが最も重要です。DeepSeekには、長い文章を読み、主張を分解し、検索語を作り、チェックリストに整理する作業を任せます。一方で、事実かどうかの判断は、あなたが直接開いた情報源で行います。
まず試すなら、公式サイトからDeepSeek Chatやアプリを使うのが手軽です[9]。作業を自動化したい開発者やチームは、OpenAI互換形式のAPIを使ってワークフローに組み込めます。[
10] 信頼性が必要な場面では、DeepSeekの回答をそのまま使うのではなく、必ず「検証すべき主張の一覧」に変換してから確認するのが安全です。




