ただし、今回の主張を検証するために必要な証拠は、そこには見当たりません。必要なのは、同じ元画像、同じプロンプト、同じ編集指示、同じ評価基準で、GPT Image 2とGPT Image 1.5を比較した再現可能なテストです。確認できる公式資料は、そのようなロゴ保持タスクの比較結果を示していません 。
GPT Image 1.5のプロンプトガイドも、読み方に注意が必要です。確認できる例の中には、「No trademarks」「No watermarks」「No logos」といった制約を含むものがあります。これは、既存の商用ロゴを編集時に安定して保持できることを示す証拠ではありません 。
今回確認できるGPT Image 2関連の情報は、主に第三者サイトによるものです。ある「事実と噂」を整理する第三者ページは、GPT Image 2について、テスト中とみられるがOpenAIの正式な公開モデル名としては確認されていない、という慎重な見方を示しています 。
こうした情報は、今後の調査の手がかりにはなります。しかし、ブランド制作で使う前提となる「GPT Image 2はGPT Image 1.5よりロゴを崩しにくい」という実務上の主張を検証するには不十分です。
第三者サイトには、GPT Image 1.5が編集時に元画像の要素を保持し、顔、ロゴ、照明などの重要なディテールを保ちやすいとする説明があります 。GPT Image 1.5をブランド編集の候補として評価するなら、こうした主張は確認対象になります。
ただし、それはGPT Image 2がさらに優れていることの証明ではありません。優位性を示すには、両モデルを同じ条件で動かし、同じロゴやブランド要件に照らして出力を評価する必要があります。
ロゴの正確性が重要な案件では、単発の作例やSNS上の比較だけで判断しない方が安全です。少なくとも、同じ元ファイル、同じプロンプト、同じ編集指示、同じ生成回数で横並びに比較する必要があります。
評価項目は、次のように具体化しておくと実務判断に使いやすくなります。
テストには、成功しやすい素材だけでなく、失敗しやすい素材も入れるべきです。小さなロゴ、斜めに写ったパッケージ、情報量の多いUI、低コントラストのマーク、複数回の連続編集などは、モデルがブランド資産を保持できるかを見るうえで有効です。
仮にAI画像モデルがロゴを正確に再現・編集できたとしても、それだけで利用が許諾されるわけではありません。OpenAIのブランドガイダンスでは、OpenAIのロゴはOpenAIのサービスに直接関係する場合に限って使用すべきであり、許可なく、またはOpenAIの規約の外で使用すべきではないとされています 。
これはOpenAIロゴに限らず、一般的なブランド資産でも同じ考え方が必要です。制作物として正確かどうかと、権利処理や使用許諾が適切かどうかは、別々に確認しなければなりません。
現時点で、「GPT Image 2はGPT Image 1.5よりロゴやブランド・アイデンティティを安定して保持できる」と断定するのは避けるべきです。
言えるのは、より限定的な結論です。確認できるOpenAI公式資料には、GPT Image 2とGPT Image 1.5をロゴ保持で直接比較した管理ベンチマークは示されていません。そのため、この優位性の主張はまだ検証済みとは言えません 。