長期リサーチの安定性は、少なくとも次の4つに分けて考える必要があります。
BrowseCompはウェブ検索と多ソース統合に近い指標です。GeneBenchは、遺伝学や定量生物学における多段階の科学データ分析に近い評価です。MCP-Atlasは、ツール編成に近い指標として扱われています。 どれも長期リサーチの一部を映しますが、どれか1つで、全工程において絶対に漏れない・横道にそれないとまでは言えません。
GPT-5.5について最もリサーチ寄りの根拠は、検索とデータ分析に関するものです。第三者比較では、GPT-5.5がBrowseCompで84.4%、Claude Opus 4.7が79.3%とされ、研究レベルのウェブ検索と多ソース統合ではGPT-5.5のほうが明確に有利だと説明されています。 市場調査、技術調査、規制情報の確認、競合比較のように、複数のページを連続して読み、矛盾点を拾い、引用付きでまとめる作業では、この点は無視できません。
OpenAIも、GPT-5.5がGeneBenchでGPT-5.4から明確に改善したと説明しています。GeneBenchは、geneticsとquantitative biologyにおける多段階の科学データ分析に焦点を当てた評価で、曖昧または誤りを含むデータ、少ない監督、隠れた交絡因子、QC失敗、統計手法の正しい実装と解釈などを扱います。 これは一般的なウェブ調査そのものではありませんが、長い分析チェーンの中で判断を修正しながら進む能力を示す材料にはなります。
また、OpenAIのHelp Centerでは、GPT-5.5 ThinkingをChatGPTで最も能力の高いreasoning modelとし、複雑な目標をよりよく理解し、ツールを使い、作業を確認し、より多くのマルチステップタスクを完了まで進められると説明しています。 これも長期リサーチに近い能力です。ただし、実際にあなたのテーマで引用漏れや誤引用が減るかは、別途テストが必要です。
Claude Opus 4.7の根拠は、長時間のエージェント運用に集中しています。AWS BedrockはClaude Opus 4.7をAnthropicのmost capable generally available modelとし、coding、enterprise workflows、long-running agentic tasksで性能を進めたモデルだと説明しています。仕様としては1M tokensのコンテキストウィンドウと128K max output tokensも示されています。 Microsoft Foundryも同様に、long-horizon projectsや、enterprise workflowsにおける複雑な作業のsession横断管理に言及しています。
Anthropicの製品ページでは、Opus 4.7のadaptive thinkingがタスクの複雑さに応じてthinkingの量を調整すると説明されています。またAI agentsの用途では、複雑なマルチツールタスクを調整し、memoryを使ってsessionをまたいで学習し、少ない監督で長時間の作業を進めるとされています。
特に注目すべきなのがtask budgetsです。Anthropicの説明では、task budgetはClaudeにagentic loop全体の目標トークン予算を与えます。その対象にはthinking、tool calls、tool results、final outputが含まれ、モデルは残量のカウントダウンを見ながら優先順位を調整し、予算消費に合わせてタスクをうまく終えるように動きます。 これは、長期リサーチでありがちな、調べ続けるだけで終わらない、最後の要約が雑になる、重要項目を閉じないまま終了する、という失敗に直接関係する設計です。
第三者比較でも、Claude Opus 4.7はMCP-Atlasで79.1%、GPT-5.5は75.3%とされ、さらにSWE-Bench ProではClaude Opus 4.7が64.3%、GPT-5.5が58.6%とされています。 これはツール密度の高い工程や、エンジニアリング寄りの多段階エージェント作業ではClaudeを先に試す理由になります。ただし、研究の中心がウェブ検索と多ソース統合なら、BrowseCompの材料はむしろGPT-5.5を支持します。
モデル名だけで決めるより、まず自分の固定テストセットを作るほうが有効です。毎回、同じ研究テーマ、同じツール、同じ時間またはトークン制限、同じ引用形式、同じチェックリスト、同じ採点ルールで比べます。
記録したいエラーは、たとえば次の5種類です。
高リスクな調査なら、役割分担も有効です。最初にGPT-5.5で検索、情報源マップ、矛盾点リストを作る。次にClaude Opus 4.7でチェックリストに沿って構成、欠落、未調査項目を点検する。最後に両方へ、低信頼項目、未完了項目、人間が確認すべき出典を明示させる。最終確認は、人間が引用、数字、日付、固有名詞、推論のつながりを見るべきです。
Claude Opus 4.7とGPT-5.5は、単純にどちらかが全面的に勝つという関係ではありません。公開資料に基づけば、GPT-5.5は研究検索、多ソース統合、複雑なデータ分析の第一候補になりやすいモデルです。 Claude Opus 4.7は、長時間エージェント実行、ツール編成、sessionをまたぐ作業、最後まで収束させる制御の第一候補になりやすいモデルです。
したがって、問いを少し言い換えるのが現実的です。どちらが一般に優秀かではなく、あなたの長期リサーチはどこで壊れるのか。検索で壊れるならGPT-5.5から、エージェント運用と収束で壊れるならClaude Opus 4.7から試す。公開ベンチマークは、その順番を決める材料です。最終的な安定性は、あなた自身のワークフローで測る必要があります。
Comments
0 comments