イーサリアム(ETH)は直近90日間で約72%上昇し、ビットコイン(BTC)の約42%を上回りました。大きな差ですが、価格上昇率で先行することと、時価総額で追い抜くことは別の話です。2026年9月下旬時点の時価総額はETHが約3,310億ドル、BTCが約1兆7,000億ドル。ETHはなお、BTCの約5.1分の1の規模です。
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今回の上昇は、フリッペニングが近づいた証拠というより、大きく下げた後の反発として見るのが妥当です。
下落が大きかった分、反発率も大きく見える
比較するときに重要なのは、どこから値上がりしたかです。報道によると、反発前のETHは過去最高値から約69%下落していた一方、BTCの下落率は約54%でした。
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より深く下げた資産は、低い水準から戻ると上昇率が大きくなりやすいものです。そのため、ETHがこの期間にBTCを上回ったことだけでは、長期的な優位性が逆転したとは言えません。
時価総額の差を埋めるには、さらに大きな変化が必要
「フリッペニング」とは、イーサリアムの時価総額がビットコインを上回ることを指します。9月下旬の時価総額を基準にすると、両者の差は約5.1倍。ほかの条件が大きく変わらないと仮定すれば、ETHがBTCに対して大幅に値上がりしなければ追いつけません。
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相対的な強さを見る指標の一つが、ETH/BTCレートです。9月下旬の報道では、この比率は約0.0315でした。
20 時価総額の差が縮まる水準を単純計算すると、供給量の相対関係が大きく変わらない場合、約0.16が目安になります。これは、直近数カ月の好調をそのまま延長しただけでは届かない水準です。あくまで前提を置いた計算であり、価格予測ではありません。
ETFの資金流入は、ETHへの需要転換を示し切れていない
現物ETFの資金流入は投資家の動きを知る手がかりになりますが、集計する期間によって見え方は変わります。8月18日から9月5日までの3週間では、ビットコインETFに約38億ドルが流入。一方、別の報道では、より短い週次の集計期間にイーサリアムETFへの流入が大きく減少したとされています。
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その後の9月の集計では、両方のETFに資金が流入したと報じられています。月間の数字は、ETHが約4億4,500万ドル、BTCが約4億6,700万ドルでした。
3 こうした数字は時点や集計期間によって変わるため、ETHへの需要が安定してBTCを上回る方向に移ったとまでは言えません。
ETFの資金流入が示すのは、あくまでそれらの商品を通じた売買です。投資家の関心を測る材料にはなりますが、ETHの時価総額が今後も相対的に伸び続ける証明ではありません。
ステーキングはETHの特徴。ただし逆転のサインとは別
イーサリアムには、保有するETHをネットワークの運営に参加させ、報酬を得る「ステーキング」の仕組みがあります。単に保有していてもステーキング報酬が発生しないビットコインとは異なる特徴です。
7月に公表された情報では、ETH供給量の約32%がステーキングされ、年率は約2.6%とされました。9月の別の報道でも、ステーキング比率は約32%とされています。
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27 これは一部の保有者にとって魅力になり得ますが、こうした数字だけで、ステーキングが今回の上昇を引き起こした、あるいは時価総額の差を埋めると結論づけることはできません。
注目点はドル建ての上昇率より、BTCに対する強さ
フリッペニングの可能性を考えるうえで重要なのは、ETHが一時的にドル建てで大きく上昇したかではなく、BTCに対する相対的な上昇を持続できるかです。ETFを通じた需要やイーサリアムの利用に結び付く需要も注目点ですが、ここで見られる資金流入の動きは一様ではありません。
BTCが時価総額で大きく先行するなか、3カ月のアウトパフォームだけで逆転が近い、あるいは有力だと判断するには材料が足りません。
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16 ETHの上昇は目立つものの、出発点となった下落の深さと、なお残る時価総額の差をあわせて見る必要があります。