TSMC(台湾積体電路製造)は2026年7〜9月期に6四半期連続の過去最高益を記録した。それでも10月15日、半導体株の下落は続いた。投資家が見ていたのは、直近の好決算だけではない。AIデータセンターへの巨額投資が高い金利のもとでも続くのか、投資に見合う収益を生むのかという不安が広がっていた。
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好決算の先に、慎重な2027年の見通し
TSMCの第3四半期純利益は7630億6000万台湾ドルで、前年同期比68.7%増。売上高は467億2000万米ドルだった。純利益はLSEGが集計した市場予想の7463億台湾ドルを上回り、同社は6四半期連続で過去最高益を更新した。
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第4四半期の売上高見通しも523億〜543億米ドルと強く、レンジの中間値は第3四半期を約14%上回る水準だ。
6 ただし、C.C.ウェイCEOは2027年に向けた事業計画について慎重な姿勢を示した。部品価格の上昇に加え、消費者向け市場や価格に敏感な市場に影響するマクロ経済の不確実性を挙げている。
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つまり、足元の需要と業績は力強くても、その勢いが先々まで続くかどうかには見極めが必要だと受け止められた。強い四半期決算だけでは、先行きへの懸念を払拭できなかった。
インフレ再燃で、金利上昇への警戒が強まる
米国の9月消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.7%上昇し、市場予想の3.6%を上回った。食品とエネルギーを除くコアCPIも前月比0.3%上昇し、予想の0.2%を上回った。
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25 これを受け、先物市場では一時、米連邦準備制度理事会(FRB)が10月に追加利上げを行う確率が最大50%程度まで織り込まれた。
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さらに15日には、食品とエネルギーを除くコアの生産者物価指数(PPI)が前月比0.7%上昇。市場予想の0.3%を大きく超え、シュワブは4年ぶりの大幅な伸びと伝えた。
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金利が高止まりしたり、さらに上がったりすれば、借り入れを伴う大型投資の負担は重くなる。インフレ指標の上振れは、AI関連企業の資金調達や将来の収益性を慎重に見直す動きにつながった。
AIインフラの「資金調達」にも不安
売りが広がった背景には、AIデータセンターの建設や運営に必要な資金をどう確保するか、そして投資額に見合うリターンが得られるかという懸念もあった。
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その象徴として注目されたのが、データセンター事業者のCoreWeaveだ。市場の一報では、同社株は15%下落し、2032年償還債の利回りは15%を超えたとされた。
30 株式だけでなく社債の調達環境にも目配りする投資家にとって、AIインフラ投資を借り入れで拡大するモデルへの警戒を強める材料となった。
中国勢の動きも競争懸念に
中国の半導体メーカーCXMTが新たなメモリー構造で進展したとの報道は、とくにメモリーチップ企業をめぐる競争懸念を呼んだ。
11 売りは業績が弱い企業だけに限られず、TSMCやASMLが好決算を発表しても、セクター全体の不安を打ち消すには至らなかった。
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下落はアジアから欧州、米国にも波及
CNNの報道によると、半導体株の動向を示す主要指数は15日に2.5%下落し、7営業日連続の下げとなった。
2 前日の米国市場でも半導体株は約4%下落しており、フィラデルフィア半導体株指数は前週の高値から10%超下げていた。
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地域別では、韓国の総合株価指数(KOSPI)が一時的な売買停止措置の発動後、7.6%安で取引を終えた。欧州では同日午後の時点で、半導体製造装置大手ASMLが6.5%安、STマイクロエレクトロニクスが7%安となった。
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23 米国では、取引開始直後のナスダック総合指数が約0.8%下落していた。
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こうした動きは、TSMCの業績が評価されなかったというより、投資家がAI関連のリスクを改めて値付けしていたことを示している。好調な現在の需要と、資金調達コストの上昇、将来の投資継続への不透明感、中国企業との競争。そのすべてを見比べた結果、記録的な利益も半導体株全体を支える決め手にはならなかった。
なお、ここで挙げた報道だけでは、中東情勢が今回の半導体株安にどれほど影響したかや、その後の市場の動きを一連の因果関係として確定できない。これらを確認済みの下落要因として扱うことはできない。