ビットコインの上昇を妨げる可能性がある水準として、8万7700〜8万8000ドル付近が意識されています。Glassnodeの分析によると、この価格帯は半年から1年前にビットコインを購入した保有者の推定平均取得価格に近い水準です。含み損を抱えていた人が買値付近まで戻ったときに売却を選べば、上昇局面で売り注文が増える可能性があります。
5
11
ただし、これは相場の「天井」を示す確定的な価格ではありません。買い手が売りを吸収し、価格がこの水準を上回って定着するなら、見方が変わることもあります。
なぜ損益分岐点が上値抵抗になり得るのか
取得価格(コストベース)は、ある期間に取得されたコインの平均的な買値を推定したものです。個々の投資家の購入価格そのものではありませんが、含み損を抱えていた保有者が、損失を避けようと買値付近で売却する可能性を考える手掛かりになります。
7
その売りが新たな買い需要を上回れば、価格は上昇しにくくなります。Glassnodeは10月の分析で、半年〜1年前に取得されたコインの取得価格を約8万8000ドルとし、この水準を含む上方の供給が、年内に価格を押し戻したことがあると説明しました。
11
なお、損益分岐点の目安となる保有者層と、実際に売りが目立った層は同じではありません。Glassnodeは10月13日の投稿で、ビットコインが8万8000ドルに向かった際、1〜2年前に取得した保有者が大きく売却したと説明しています。8万8000ドルは、半年〜1年前に購入した層が損益分岐点に達する水準でした。同社によると、その後、1〜2年前に取得した層の売りは大きく鈍化しました。
16
売りを吸収できれば、抵抗帯がサポートに変わることも
上値抵抗は固定されたものではありません。買い手が売り注文をこなしながら買い続け、ビットコインがこの価格帯を上回って推移すれば、市場が供給を吸収した兆候とみることができます。Glassnodeは、ETFへの資金流入を伴って日足でこの水準を上回れば、買い手が供給を吸収していることを示すと述べています。
28
さらに、価格がいったん上抜けた後に同じ水準まで戻り、そこで買いが入れば、かつての抵抗帯がサポートとして意識される場合もあります。ただし、上抜けやその後の反発だけで、サポートが確立したと断定はできません。需要や価格の動きと合わせて判断する必要があります。
上には供給、下には下値の目安
Glassnodeは10月14日のレポートで、ビットコインが上方の取得価格帯と下方のサポートの間にあると分析しました。半年〜1年前に取得されたコインの取得価格は約8万8000ドル、1〜2年前のコインは約10万ドル。アクティブ投資家の平均取得価格を示す同社の指標「True Market Mean」は約7万8000ドルでした。また、ビットコインが約8万ドルまで下落した後、買い注文が数日以内に補充されたとしています。
11
このため、8万ドル付近は下値を考える際の目安にはなりますが、確実な底値ではありません。注文板の買い注文は変化し得ますし、取得価格の推計値が保有者に売買を強いるわけでもありません。サポート付近を保てば一定の値幅で推移する可能性がある一方、上方の供給を明確に抜ける、あるいはサポートを割り込む展開になれば、相場の見立ては変わります。いずれも条件付きのシナリオであり、価格予測ではありません。
取得価格データの読み方
Glassnodeは、True Market Meanをアクティブ投資家の代表的な取得価格モデルとして説明し、保有期間別の分析では取得時期ごとにコインを分類しています。
1
11こうした平均値は、どの価格帯で一部の保有者が損益分岐点に近づくかを考える助けになります。一方、すべての保有者の売買意向を示すものではありません。
したがって、8万7700〜8万8000ドル付近は「必ず上昇が止まる価格」ではなく、売りが出る可能性のあるエリアとして見るのが適切です。上抜けを判断する際は、価格が一時的に触れたかだけでなく、継続的な買い需要が売りを吸収しているかにも注目したいところです。