AIデータセンターの建設が続いても、電力・電気設備を供給する企業の収益性が同じように伸び続けるとは限りません。バークレイズが2026年10月20日に示した懸念は、需要が消えることではなく、生産能力の拡大で品薄が緩和したとき、AI企業など大口顧客が価格交渉で優位に立ち、メーカーの利益率を押し下げる可能性です。
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供給が増えると、価格交渉の力関係が変わる
設備が不足している局面では、メーカーは価格や納期の条件を比較的有利に設定できます。しかし、生産能力が増え、買い手が複数の供給元を選べるようになれば、価格交渉は厳しくなる可能性があります。バークレイズは、シーメンス・エナジー、シーメンス、ABB、シュナイダーエレクトリックなどをこのリスクにさらされる企業として挙げています。
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そのため、受注や受注残が記録的に伸びていても、それだけで今後の利益率まで保証されるわけではありません。受注は足元の需要や今後納入する仕事量を示しますが、現在のような供給不足や有利な価格条件が続くかどうかは別の問題です。
シーメンス・エナジーの「アンダーウエート」判断との関係
バークレイズは7月、シーメンス・エナジーの投資判断を「アンダーウエート」に引き下げました。一方で目標株価は引き上げており、同社の株価評価には「ピーク時の収益性がいつまでも続く」ことが織り込まれていると主張しました。
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これは、会社の業績が好調であることと、株価がその好調さをどこまで先取りしているかは別、という見方です。データセンター向けタービンの予約が70ギガワットを超えるとの報道もありますが、予約は納入の見通しを示すもので、将来の受注が同じ勢いで増え続ける証拠とは限りません。また、報道された予約が確定受注とどう異なるか、需要の何年分に相当するかについて、利用できる情報からは確認できません。
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2028年の1,400億ドル予測と矛盾しない理由
バークレイズは別の予測で、データセンター向け電気設備の潜在市場規模が2028年に最大1,400億ドルに達するとの見通しを示しました。西側メーカーが中国市場の10%にアクセスできることを前提とした試算です。
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市場全体が拡大する予測と、メーカーの利益率に圧力がかかるという懸念は、必ずしも矛盾しません。市場で動く金額が増えても、供給能力が需要に追いつけば顧客の選択肢が広がり、設備メーカーが価格に上乗せできる幅は縮む可能性があります。
ABBとシュナイダーの好調な実績が示すもの
ABBは2026年第3四半期に、受注が前年同期比40%増の120億5,500万ドル、売上高が14%増の97億100万ドルだったと発表しました。
27 同社トップはデータセンター需要の一段の拡大を見込んでいます。一方で、ブルームバーグの報道では、コスト上昇やAI業界の変動への懸念も市場に残っていました。
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シュナイダーエレクトリックも、データセンター需要が2倍を超えたことを背景に、年間目標を年内2度目となる引き上げ。第3四半期の売上高は過去最高の114億6,000万ユーロでした。
34 こうした実績は足元の需要の強さを示しますが、供給が増えた後も同じ価格決定力を保てるかまでは答えていません。
要するに、強い需要と将来の利益率への警戒は同時に成り立ちます。供給不足が和らげば、メーカーは価格だけでなく、納期、信頼性、サービスなどで選ばれる必要が高まるでしょう。バークレイズが問うているのは、AIデータセンター投資が続くかどうかだけでなく、その投資から設備メーカーがどれだけの利益を確保できるかです。