ただし、ここは慎重に見る必要がある。引用されている報道はいずれも「疑い」として記述しており、Googleの違反がEUで最終認定されたことを示すものではない。団体側の要求も、調査を終え、違反が認められるなら制裁金や制裁措置に進むべきだ、という形で語られている 。
ウルズラ・フォンデアライエン欧州委員長は、EUの行政執行機関である欧州委員会のトップだ。業界団体の連絡はフォンデアライエン氏に加え、競争政策を担うテレサ・リベラ氏、テック政策を担うヘンナ・ヴィルックネン氏にも宛てられ、Google検索をめぐる調査でより速い判断を求めた 。
さらに、欧州の18の業界・消費者団体は、Alphabetに対する正式な不遵守決定を2026年3月25日より前に出すよう求めた。この日付は、欧州委員会の手続き開始から2年に当たる時点として説明されている 。つまり、個別案件の担当部局だけでなく、委員会全体の政治的意思が問われる局面として見られている。
圧力は一つの団体からではなく、重なり合う複数の連合体から来ている。
市民団体の書簡が強調しているのは、報じられた遅延が米政権からの圧力の後に起きたという点だ 。団体側から見れば、ここでEUが足踏みすれば、DMAの執行は法的判断ではなく、地政学や通商交渉で動かせるものだという印象を与えかねない 。
出版社、テック企業、スタートアップ団体は、調査の遅れがデジタル経済で競争する欧州企業に害を及ぼしていると主張している 。別の報道では、この連合体が、規制当局が検討を続ける間に欧州企業が「破綻している」と訴えたとされる 。
Reuters系の報道は、出版社やテック企業、スタートアップが2026年3月にEU当局へ対応を促した時点で、Google検索をめぐる調査を「ほぼ2年」に及ぶものとして説明した 。その後の市民団体側の動きでは、GoogleがDMAの下で2年以上、自社優遇疑惑について調査されていると報じられている 。
各団体の要求の表現は少しずつ異なる。Google検索調査の加速と制裁金に向けた動き 、調査の終結と制裁金の賦課 、Alphabetへの正式な不遵守決定 、競争ルール違反が認められた場合の制裁措置 などだ。
共通しているのは、これ以上の先送りではなく、法的基準に沿って最終判断へ進むべきだという点である。重要なのは、制裁を望む声が強いことと、違反が認定済みであることは同じではない、ということだ。
EUの団体がフォンデアライエン委員会に対応を迫るのは、Google検索の自社優遇疑惑だけが理由ではない。問題は、長期化したDMA調査をいつ終わらせるのか、欧州企業が公正な競争を期待できるのか、そしてEUが報じられた外部圧力にもかかわらず自らのデジタル規則を執行できるのか、という三つの問いに広がっている 。