一方で、Solanaの勢いは2025年以前から見えていました。ColosseumはElectric Capitalの2024年開発者レポートを引用し、Solanaがその年に新規開発者数でトップのブロックチェーンになり、7,600人超の新規開発者がSolanaを選び、新規開発者活動が前年比83%増だったと伝えています 。
開発者にとってのポイントは、期待される取引コストが低いため、小さな操作を何度もオンチェーンに載せる設計を検討しやすいことです。決済、リテール取引、ロイヤルティ機能、オンチェーンゲーム、NFTミント、クリエイター向けアプリなどでは、ユーザーが繰り返し操作する前提になります。1回ごとに高額なガス代や長い待ち時間が発生すれば、体験はすぐに崩れます。
GalaxyのSolanaプロトコル概要によると、Solanaは400ミリ秒のスロット時間を目標にしており、実際には一般に500〜600ミリ秒程度とされています。またEthereumと同じ形のネイティブなインプロトコル・メンプールを使わず、ユーザー取引をバリデーターへ直接ルーティングすることで、より速い実行を支える設計だと説明されています 。
実際の体験はネットワーク状況やアプリ設計に左右されます。それでも設計思想は明確です。Solanaは、大量の操作を低遅延で処理することを重視したブロックチェーンです。だからこそ、速度が単なる技術指標ではなく、サービス品質そのものになるアプリに向いています。
Ethereumのスケーリング戦略は、メインネットとLayer 2ロールアップを組み合わせるモジュラー型に近づいています。Coin Metricsは、EthereumがメインネットとL2ロールアップを横断して段階的にスケールしており、ロールアップが需要を分散し、処理効率を高める一方で、メインネット容量にも依存していると説明しています 。
これはEthereumの強みでもあります。堅牢な決済・清算レイヤーを維持しながら、多くのL2が実行コストや性能で競争できます。ただしアプリ開発者には、どのロールアップを使うのか、ユーザー資産をどう移動させるのか、流動性がどこにあるのか、クロスチェーンの複雑さをどこまで見せるのか、という判断が増えます。
Solanaは別の道を取ります。基本的には、1つの高スループットなLayer 1上でアプリを組み立てる発想です。一般ユーザーに暗号資産らしさを意識させずに使ってもらいたいチームにとって、この単純さは大きな利点になります 。
開発者は、ユーザーが集まり、取引が起き、収益機会がある場所に向かいます。2025年のエコシステム比較では、Ethereumは機関投資家の採用、ステーブルコイン取引、DeFiのTVLで優位とされる一方、Solanaはユーザー拡大、取引量、アプリケーション収益、低い取引手数料で目立ったとされています 。
Heliusのエコシステム報告も、消費者向けアプリの開発者を引きつける活動量を示しています。Heliusは、2025年上半期にSolanaが1日あたり1億6,200万件超の取引を処理し、手数料中央値は1セントを大きく下回ったと報告しました。また、2024年には暗号資産全体のDEX取引の81%をSolanaが占めたとも述べています 。
Ethereumは依然として、多くのプロジェクトにとって有力な選択肢です。Solanaのユーザー成長や低手数料を指摘した同じ2025年比較でも、Ethereumは機関投資家の採用、ステーブルコイン取引、DeFi TVLでリードしているとされました 。また開発者成長に関する報道では、EthereumはL2エコシステムやプロトコル更新に支えられ、スマートコントラクトとDeFi開発の主要ハブであり続けていると説明されています
。
金融インフラ、決済・清算に近いアプリ、既存DeFiとの深い接続性を必要とするプロダクトでは、EthereumやEthereum L2が強い候補になります 。開発者数の厚みも無視できません。最近の報道では、Ethereumのアクティブ開発者は3万1,869人、Solanaは1万7,708人とされています
。
つまり、Solana対Ethereumという単純な二択ではありません。消費者向けの高速実行を優先するのか、深い流動性、決済層、制度金融との接続、成熟したDeFi基盤を重視するのかという選択です。
開発者がSolanaを選ぶ最大の理由は、安く、速く、頻繁なオンチェーン操作を前提にしたプロダクトを作りやすいことです。決済、ウォレット、取引アプリ、ゲーム、NFT体験など、ユーザーのタップがそのまま取引になり得る消費者向けアプリでは、この差が大きく効きます 。
ただし、Ethereumが負けたという話ではありません。Ethereumは開発者基盤、DeFiでの存在感、機関投資家向けの接続性でなお強い立場にあります 。本当の変化は、開発者がチェーンをブランドではなく用途で選ぶようになっていることです。消費者体験と低コスト実行ならSolana、決済層の厚みや成熟したDeFiインフラならEthereum。そのすみ分けが、いまの開発者動向を読み解く鍵です。
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