市場全体を見渡すと、直近でメーカー別シェアが公開された2026年3月時点では、Nvidiaが72.8%、AMDが18.5% 。RDNA 4が台頭しつつも、全体の勢力図を劇的に塗り替えるには至っていないことを示している。
RX 9070 XTがAMD内でトップに立ったとはいえ、NvidiaのBlackwell世代との差は大きい。2026年5月調査での比較表が、その実態を浮き彫りにする。
| GPUモデル | Steamシェア (2026年5月) |
|---|---|
| RTX 5070 | 約2.86% |
| RTX 5060 | 約2.57% |
| RTX 5080 | 約1.47%~1.52% |
| RX 9070 XT | 約1.33%~1.35% |
| RTX 5050 | 0.16% |
Nvidiaの普及価格帯であるRTX 5070やRTX 5060は、RX 9070 XTのほぼ2倍のシェアを保持している 。ハイエンドのRTX 5090に至っては、今回のトップデータにはリストされていない
。
この差は、好意的なレビューや「お買い得感」といった評価を、実際のSteam利用者数に結びつけることの難しさを物語っている。特に、後述する技術的問題が解消された後でも、なお埋めがたい溝が存在するのだ。
RX 9070 XTがここまで「不可視」だった最大の要因は、Valveの調査システムに存在した2つの検出不具合にある。
1つ目は、「AMD Radeon(TM) Graphics」への汎用的なグルーピングだ。多数のRDNA 4搭載カードが、この一般的な名称のカテゴリに誤って分類されていた。このカテゴリは、2026年3月時点でシェア約2.4%と第9位に位置するほどの規模で、個別モデルとしての識別を妨げていた 。
2つ目は、より根深い問題で、内蔵GPU(iGPU)との優先順位バグである。特に、統合グラフィックスを搭載したAMDのX3Dプロセッサを搭載するシステムで多発。ユーザーがSteamのハードウェア調査に参加すると、システムは高価なディスクリートGPU(RX 9070 XT)ではなく、CPU内蔵のグラフィックスを検出・報告してしまうケースが相次いだ 。
つまり、実際には使われているのに、調査上は「存在しない」という状態が長く続いていたわけだ。
こうした世界的なシェア争いの一方で、日本市場におけるRX 9070 XTの価格動向は、独自の激しい動きを見せている。
2026年5月下旬、RX 9070 XTの特定モデル(Sapphire Pulse、ASRock Challenger)が、国内過去最安値となる8万7,800円(約552ドル) を記録 。これは、発売時のメーカー希望小売価格(MSRP)である11万2,980円(約700ドル)から約22%の下落となる
。
さらに衝撃的なのは、ピーク時との比較だ。RDNA 4価格が高騰した2026年1月には、同カードは約14万3,000円にまで跳ね上がっていた 。つまり5月の底値は、その高値から 約39%も下落 した計算になる。
2026年6月時点では、メインストリームモデルの価格は9万9,000円~10万2,000円程度に落ち着きつつあり、廉価版とそれ以外で価格差が開く傾向にある 。この価格下落は、世界的な需要の低迷と在庫の積み上がりが主因と分析されており、英国の小売店でも約600ポンドで販売されるなど、グローバルなトレンドとなっている
。
また、新たに発表された「RX 9070 GRE(12GB)」の日本での想定価格は9万5,000円~11万5,000円と予想されており 、この価格帯のモデルが充実することで、ゲーマーにとっては「ミドルハイ」の選択肢がより現実的なものになりつつあると言える。
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