太陽光の優位性は、新規プロジェクトの計画数にも表れている。2025年にアフリカ大陸で発表された322件の新規エネルギープロジェクトのうち、173件が太陽光発電プロジェクトであり、水力発電(46件)、風力発電(34件)、ガス火力(22件)を大きく引き離した 。太陽光は今や、同大陸で新たに提案される全エネルギープロジェクトの過半数を占めており、開発事業者や投資家が最も有望な機会を見出している分野であることを示している。
この太陽光発電の急速な拡大を可能にした大きな要因が、廉価な中国製太陽光パネルの大量流入である。エネルギーシンクタンクのEmberが中国の輸出統計を分析したところ、アフリカは2025年に18.8GW相当の中国製太陽光パネルを輸入し、2024年の12.7GWから48%増加して過去最高を記録した 。
世界の太陽光パネルの約80%を生産する中国は、国内製造能力を持たないアフリカ諸国にとって支配的な供給国となっている 。輸入の急増は、世界的なパネル価格の下落により、太陽光が多くの市場で最も安価な新規電源となったこと、そして欧米市場での貿易制限を受けて、中国が供給先を戦略的にアフリカへシフトさせていること、という2つの主要因によって推進された
。
2025年中頃のデータでは、25カ国のアフリカ諸国が中国から太陽光パネルを輸入しており、そのうち20カ国で輸入量が過去最高を記録した 。従来的なエネルギー主要国を超えて需要が広がりつつある兆候と言える。
ナイジェリアは803MWの新規導入を記録し、屋根置き型の分散型太陽光の普及と旺盛な民間セクター投資を背景に、劇的な伸びを示した 。エジプトは500MWを追加し、大規模太陽光発電所への着実な投資を継続。アルジェリアも400MWを追加した
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GSCレポートは、モロッコ(204MW)、ザンビア(139MW)、チュニジア(120MW)、ボツワナ(120MW)など、中堅市場も顕著な伸びを示したと指摘する 。さらに、2025年に100MW以上の太陽光を導入したアフリカの国は、前年の4カ国から8カ国へと倍増しており、太陽光ブームがより多くの国へ波及し始めていることを示している
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アフリカの記録的な成長は、複数の要因が重なって推進された。
革新的な資金調達:国際開発金融機関(DFI)は「ブレンデッド・ファイナンス」という手法で、公的資金を呼び水に民間投資のリスクを軽減し、資金調達コストの引き下げを推進している。また、独立系発電事業者(IPP)が新規プロジェクトの開発を牽引している 。
記録的な数字の裏側で、より公平で広範なエネルギー転換を阻む重大な障壁が存在する。
最大の弱点は送電網だ。 多くのアフリカ諸国では、送電線、変電所、配電網が老朽化し、資金不足で、新たな発電所からの電気を受け入れられない。新しい太陽光発電所が建設されても、最寄りの送電網が容量不足で、発電した電気を送り出せない事態が頻発している 。IEAは、アフリカが再生可能エネルギーの野望を支えるためには年間300億~400億ドルの送電網投資が必要だと試算しており、これは現在の支出水準の2倍以上にあたる
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高い資金調達コストも深刻な問題だ。 アフリカの再エネプロジェクトは平均**8.5~9%**の資金調達コストに直面しており、これは先進国市場の5~6%と比較して極めて高い 。このリスクプレミアムが電気料金を直接押し上げ、プロジェクトの経済性を損なう構造的な不利を生み出している。
全体像を把握するためには、世界の状況を見渡す必要がある。2025年の世界の再生可能エネルギー総容量は、過去最高の692GWが追加されたことで5,149GWに達し、年間成長率は15.5%となった 。新規導入の中心は511GWを追加した太陽光で、全体の約4分の3を占め、風力が159GWでこれに続いた
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しかし、視点を変えれば、アフリカは増加率で見た場合、世界で最も急速に成長している太陽光市場である。アフリカ大陸の導入済み太陽光容量は2025年だけで26%増加し、中国や中東の成長率を上回った 。基点は小さいながらも、その成長曲線は非常に急勾配なのだ。
2025年は、アフリカの再生可能エネルギーにとって紛れもない飛躍の年となった。アフリカ大陸はかつてないほどの新規設備容量を導入し、太陽光発電がその中心を担い、中国からの安価なパネル輸入がスケールアップに必要なハードウェアを提供した。
しかし、事はそう単純ではない。成長は一部の国に集中し、老朽化した送電網という「器」は発電という「中身」の急増に深刻なほど追いついておらず、高い資金調達コストがより包摂的なエネルギー転換を阻む持続的な障壁として立ちはだかっている。アフリカの再エネ革命の「基礎」は築かれたが、本格的な「構築」はまだ初期段階にあると言える。