合意を受け、ハンガリーはただちに長年の拒否権を放棄する意向を示しました 。6月3日には、ブリュッセルのEU大使らが、ウクライナとモルドバの双方について、「クラスター1」(通称「基本事項」クラスター)の交渉開始に向けた正式な手続きを開始しました
。
当初の目標は「クラスター1」の開始ですが、これまでの進捗を踏まえ、EU側が同時に二つのクラスターの交渉を開始する可能性も外交筋の間で取り沙汰されています 。モルドバのEU大使、ダニエラ・モラリ氏は楽観的な見方を示しており、「我々の最優先事項は全ての加盟クラスターを開くことであり、6月16日のクラスター1を皮切りに、夏の終わりまでには他のクラスターも続くでしょう」と述べています
。
「クラスター1」開始の承認は、長い道のりにおける最新のマイルストーンです。
EU加盟交渉の進展は、外交的な「真空地帯」で起きているわけではありません。ハンガリーとウクライナの合意と同じ日、ドイツ政府高官は「ロシアと欧州の間で、ウクライナをめぐる対話の窓が徐々に開きつつある」との認識を示しました。ただし、正式な協議の開始は数カ月先になる可能性が高く、それにはモスクワが交渉への真摯な姿勢と無条件の停戦を示すことが条件であるとしました 。
これはドイツの姿勢における慎重な軌道修正を示すものです。2026年2月の時点では、ベルリンはロシアのプーチン大統領の「最大限の要求」を理由に、直接対話に強く反対していました 。6月までに、欧州が将来の外交に関与する可能性を認める方向へとシフトしましたが、EUの最新の首脳会議草案は、特別特使の任命を明記するには至っていません
。
これは、ウクライナとモルドバにとって歴史的な前進であると同時に、欧州全体の複雑な外交的駆け引きを映し出す出来事でもあるのです。
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