英国のEVリース会社Octopus Electric Vehiclesのガージート・グルワルCEOは、「これは一時的な現象ではない。転換点だ」とコメント。同社の2026年4月の新車EV需要は前年同月比で95%も増加しました 。
欧州自動車工業会(ACEA)のデータによると、2026年4月のEUにおけるBEVの市場シェアは20.6%に達し、前年同期の15.7%から大幅に上昇しています 。世界で最もEV普及が進むノルウェーでは、5月の新車登録に占めるBEVの割合が97.8%に達し、1〜5月の累計でも98%という驚異的なシェアを維持しています
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この成長を支えているのは、政策による追い風と、より手頃な価格の中国製モデルの流入です。Benchmark Mineral Intelligenceのデータマネージャー、チャールズ・レスター氏は、欧州について「政策インセンティブと中国OEMのプレゼンス拡大に支えられ、年初来26%増と突出したパフォーマンスを維持している」と分析しています 。
三大市場の中で、最も劇的な変化に見舞われたのが米国です。2025年9月30日、電気自動車購入者に対する最大7,500ドルの連邦税額控除が失効。その影響は即座に、かつ甚大なものとなりました。2026年第1四半期の新車EV販売台数は前年同期比で28%も急落し、わずか21万2600台にまで落ち込みました。これは、控除終了前の駆け込み需要で水膨れした前年からの完全な反動です 。新車販売全体に占めるEVのシェアは5.8%にまで低下し、2025年半ばの駆け込み需要期に記録した10.6%のピークからほぼ半減しています
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しかし5月は、この急落がようやく底を打ったことを示す、最も強いシグナルとなりました。5月の米国EV販売台数は、税額控除終了後で最高となる推定8万5000台以上を記録したのです 。北米ベースでは、Benchmark Mineral Intelligenceのデータによると販売台数は前年同月比で約26%減少したものの、前月比では7%増と、勢いは確実に上向いています
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底打ちの重要な要因は「価格」です。ケリー・ブルー・ブックのデータによると、5月の新車EVの平均取引価格(ATP)は5万4532ドルと、前年同月比で4%下落し、これで11カ月連続の前年割れとなりました 。自動車メーカーとディーラーは、値引きや各種インセンティブにも前のめりです。業界全体のインセンティブ支出額が平均取引価格の7.1%であるのに対し、EVに限っては実に14%近くに達しており、ほぼ2倍の「大盤振る舞い」で在庫の消化を急いでいる構図です
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また、中古EV市場が新たな希望の光となっています。2026年第1四半期の中古EV販売台数は前年同期比12%増の9万3500台を記録。同等のガソリン車との価格差は約1300ドル(約19万円)にまで縮まっています 。2026年末までには、さらに30万台以上の中古EVが市場に流入する見通しで、価格に敏感な購入者層にとって、電動モビリティへの間口はかつてなく広がっています
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総じて、米国市場は激しい打撃を受けつつも、したたかに適応しつつあると言えるでしょう。新たな手頃な価格のモデルの投入と熾烈な価格競争を背景に、「補助金なき米国EV市場」は、やや規模は小さくとも持続可能な新たなベースラインを見つけつつあります 。
中国のNEV(新エネルギー車:BEV、PHEV、燃料電池車を含む)市場は、5月に一見矛盾するデータを提示しました。
全国乗用車市場信息聯席会(CPCA)の速報値によると、NEVの小売販売台数は97万4000台で、前年同月比で5%減、しかし4月からは15%増でした 。後に発表されたより詳細なCPCAの確定値では、5月の小売販売台数は95万台、前年同月比7.5%減となっています
。1月から4月の累計でも、NEV販売台数は前年比12.8%減と、国内の消費マインドの冷え込みと、国産ブランド間の苛烈な価格競争の厳しい現実を反映しています
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ところが、その一方でNEVの小売浸透率は、4月の61.4%からさらに上昇し、5月には62.9〜63%と過去最高を記録したのです 。輸出分も含めた卸売ベースの浸透率も61.1%に達しました
。この一見不可解な現象のカラクリは、NEV販売の絶対的な好調さにあるのではなく、ガソリン車(ICE車)市場のあまりに急激な崩壊にあります。電気自動車専門メディアのCnEVPostが分析するように、この記録的な浸透率は「NEV小売販売の前年割れという状況下で達成されたもので、従来の内燃機関車市場の崩壊が加速していることを浮き彫りにしている」のです
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この傾向は、各セグメントの浸透率に顕著に表れています。中国国内ブランドのNEV浸透率は71.6%に達し、高級ブランドも51%の大台を突破しました。ガソリン車市場の崩壊スピードは、NEV販売台数の数字が示す以上に速く、大きく進んでいるのです 。
米国の政治に翻弄された「逆風」や、中国国内小売市場の「停滞感」にもかかわらず、世界のEV普及に向けた長期的な軌道は、依然として力強い上昇を続けています。
国際エネルギー機関(IEA)は2026年5月に発表した見通しで、2026年の世界EV販売台数は2300万台に達し、世界の新車販売の3割近くを占めると予測しました。2026年の第1四半期に世界販売が前年同期比8%減と弱含んだにもかかわらず、です 。2026年6月に公表されたBloombergNEFの年次報告書「Electric Vehicle Outlook」も、この数字を裏付け、乗用EV販売は2300万台超(2025年比で11%増)となり、2026年の新車販売に占めるEV比率は27%に達すると予測しています
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いずれの見通しも、「誰でも簡単に成長できる」時代は終わったこと、そして特に米国における政策の不安定性が、地域ごとにまだら模様の環境を作り続けることを認めています。しかし、バッテリーコストの継続的な低下、目まぐるしく拡充されるモデルラインナップ、そして欧州と中国の構造的な需要を考えれば、世界のEVシフトが大きく道を外れることはないでしょう。
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