つまり、2026年上期の需要はスマートフォン市場全体に均等に広がったわけではない。高価格帯スマートフォンで採用が進むフレキシブルOLEDに、成長が集中していた。サムスンは市場全体の数量増というより、このプレミアム領域で特に大きな恩恵を受けた形だ。
スマートフォンパネルを技術方式別に合算すると、BOEが世界最大のサプライヤーだ。2026年上期の出荷は約2億8,000万枚、シェアは25.2%で、前年同期比7.1%増となった。サムスンディスプレイの全スマートフォンパネル出荷は約1億7,000万枚で、伸び率は0.9%だった。
ただし、フレキシブルOLEDに限ると構図が変わる。BOEの出荷は約8,140万枚で、前年同期比14.6%増。サムスンの約1億2,000万枚は数量で上回るだけでなく、成長率でも大きくリードしている。
この比較から見えるのは、両社の強みの違いだ。BOEはLCDを含む市場全体で幅広い数量規模を持つ。一方、サムスンディスプレイは、フレキシブルOLEDをはじめとする高価格帯・高難度のパネルで勢いを見せている。サムスンの総出荷が小幅な伸びにとどまったのは、成長がこのプレミアム領域に集中していたためだ。
AppleのiPhone需要は、サムスンディスプレイの上期実績を支えた重要な要素だった。報道では、iPhoneシリーズ全体の販売好調と、今後の製品発売に備えたパネル在庫の積み増しが出荷増加の背景として挙げられている。
Apple向けの需要が大きいのは、単に販売台数が多いからだけではない。高価格帯のiPhoneには、品質や生産安定性が求められる先進的なOLEDパネルが大量に使われる。そのため、Appleが発注を増やす局面では、高性能パネルを量産できるサプライヤーの出荷が押し上げられやすい。
もっとも、今回のデータだけで、サムスンが追加出荷したパネルのすべてがiPhone向けだったと断定することはできない。Appleの需要が成長への大きな寄与要因だった、というのが確認できる範囲だ。
下期は、スマートフォン市場全体よりも高価格帯フレキシブルOLEDの方が有利な展開になりそうだ。Counterpoint Researchは、Appleが2026年秋に「iPhone 18 Pro」「iPhone 18 Pro Max」と、初の折りたたみiPhoneを投入すると予測している。同社の調査では、これらのモデル向けパネル出荷は7月に始まった一方、標準モデルのiPhone 18のパネル生産はまだ始まっておらず、2027年春に延期される可能性がある。
この製品計画は、現時点では予測であり、Appleが正式に確認した発売結果ではない。ただ、報じられた生産スケジュールが正しければ、iPhone 18シリーズ全体の発売を待たずに、Proモデルと折りたたみモデルがパネル需要を先に生み出す可能性がある。
折りたたみスマートフォンも、もう一つの成長要因になり得る。Counterpointは、2026年の世界の折りたたみスマートフォンパネル出荷が前年比約24%増の約2,750万枚になると予測している。また、年間出荷の約64%が下期に集中すると見込む。Appleの調達拡大、サムスンの製品サイクル、中国メーカーの追加需要が予測の前提だ。
サムスンディスプレイは下期、プレミアムiPhone向けパネルと折りたたみOLEDという、単価と技術要求が比較的高い二つの需要領域にさらされることになる。ただし、実際の売上はAppleの発売時期や調達判断、最終的な端末需要に左右されるため、予測を確定した受注と見ることはできない。
サムスンディスプレイの投資審議委員会は、2026年8月7日、韓国・忠清南道にあるアサン第2団地のA7工場について、建物の主体構造工事を承認した。8月中に工事の発注や入札を始め、2027年に本格的な建設へ移行し、2028年初めの完成を目指す。
A7計画は2021年から停止していたため、今回の決定は約5年ぶりの再開にあたる。業界報道によれば、敷地の起工は2017年だった。
A7単体の正確な投資額は、まだ公表されていない。報道では数兆ウォン規模になるとされている。
新工場にどの生産ラインを導入するかも、すべてが確定したわけではない。業界では、折りたたみスマートフォン向けの中小型OLEDや、マイクロOLEDなどへの活用が見込まれている。また、折りたたみ端末に加え、ノートパソコンやタブレットなどIT機器向けOLEDの需要拡大に対応する施設になるとの見方もある。
A7は、アサンにある既存の生産基盤を補完する位置づけだ。アサンには、2026年に量産を開始した第8.6世代のIT OLED設備であるA6もある。 A7によって、将来の需要や顧客ごとの仕様が明確になった段階で、生産設備を拡張・配置できる余地が広がる。
A7は、単に好調だった2026年上期への対応ではない。サムスンディスプレイは2040年までにディスプレイ製造分野へ総額67兆ウォンを投資する計画を掲げており、アサンを次世代スマートフォンOLED、IT OLED、高解像度マイクロディスプレイの生産基盤として整備する方針だ。
今回の建設再開には、長期的な生産能力の柔軟性を確保する狙いがある。上期の実績は、プレミアム向けフレキシブルOLEDが市場全体を大きく上回って成長し得ることを示した。さらに、折りたたみ端末市場が予測通り拡大すれば、技術難度の高いパネルを安定供給できる能力の重要性は増す。
競争を単純な「サムスン対BOE」の順位だけで捉えることはできない。BOEはスマートフォンパネル全体の規模で首位を維持しているが、サムスンディスプレイはプレミアムOLEDという高付加価値分野で勢いを強めている。Appleの高価格帯・折りたたみ製品サイクルが実現し、折りたたみ市場が予測通り成長すれば、A7はサムスンが今後の競争力を維持するための重要な生産拠点になりそうだ。
つまり、2026年上期の需要はスマートフォン市場全体に均等に広がったわけではない。高価格帯スマートフォンで採用が進むフレキシブルOLEDに、成長が集中していた。サムスンは市場全体の数量増というより、このプレミアム領域で特に大きな恩恵を受けた形だ。
スマートフォンパネルを技術方式別に合算すると、BOEが世界最大のサプライヤーだ。2026年上期の出荷は約2億8,000万枚、シェアは25.2%で、前年同期比7.1%増となった。サムスンディスプレイの全スマートフォンパネル出荷は約1億7,000万枚で、伸び率は0.9%だった。
ただし、フレキシブルOLEDに限ると構図が変わる。BOEの出荷は約8,140万枚で、前年同期比14.6%増。サムスンの約1億2,000万枚は数量で上回るだけでなく、成長率でも大きくリードしている。
この比較から見えるのは、両社の強みの違いだ。BOEはLCDを含む市場全体で幅広い数量規模を持つ。一方、サムスンディスプレイは、フレキシブルOLEDをはじめとする高価格帯・高難度のパネルで勢いを見せている。サムスンの総出荷が小幅な伸びにとどまったのは、成長がこのプレミアム領域に集中していたためだ。
AppleのiPhone需要は、サムスンディスプレイの上期実績を支えた重要な要素だった。報道では、iPhoneシリーズ全体の販売好調と、今後の製品発売に備えたパネル在庫の積み増しが出荷増加の背景として挙げられている。
Apple向けの需要が大きいのは、単に販売台数が多いからだけではない。高価格帯のiPhoneには、品質や生産安定性が求められる先進的なOLEDパネルが大量に使われる。そのため、Appleが発注を増やす局面では、高性能パネルを量産できるサプライヤーの出荷が押し上げられやすい。
もっとも、今回のデータだけで、サムスンが追加出荷したパネルのすべてがiPhone向けだったと断定することはできない。Appleの需要が成長への大きな寄与要因だった、というのが確認できる範囲だ。
下期は、スマートフォン市場全体よりも高価格帯フレキシブルOLEDの方が有利な展開になりそうだ。Counterpoint Researchは、Appleが2026年秋に「iPhone 18 Pro」「iPhone 18 Pro Max」と、初の折りたたみiPhoneを投入すると予測している。同社の調査では、これらのモデル向けパネル出荷は7月に始まった一方、標準モデルのiPhone 18のパネル生産はまだ始まっておらず、2027年春に延期される可能性がある。
この製品計画は、現時点では予測であり、Appleが正式に確認した発売結果ではない。ただ、報じられた生産スケジュールが正しければ、iPhone 18シリーズ全体の発売を待たずに、Proモデルと折りたたみモデルがパネル需要を先に生み出す可能性がある。
折りたたみスマートフォンも、もう一つの成長要因になり得る。Counterpointは、2026年の世界の折りたたみスマートフォンパネル出荷が前年比約24%増の約2,750万枚になると予測している。また、年間出荷の約64%が下期に集中すると見込む。Appleの調達拡大、サムスンの製品サイクル、中国メーカーの追加需要が予測の前提だ。
サムスンディスプレイは下期、プレミアムiPhone向けパネルと折りたたみOLEDという、単価と技術要求が比較的高い二つの需要領域にさらされることになる。ただし、実際の売上はAppleの発売時期や調達判断、最終的な端末需要に左右されるため、予測を確定した受注と見ることはできない。
サムスンディスプレイの投資審議委員会は、2026年8月7日、韓国・忠清南道にあるアサン第2団地のA7工場について、建物の主体構造工事を承認した。8月中に工事の発注や入札を始め、2027年に本格的な建設へ移行し、2028年初めの完成を目指す。
A7計画は2021年から停止していたため、今回の決定は約5年ぶりの再開にあたる。業界報道によれば、敷地の起工は2017年だった。
A7単体の正確な投資額は、まだ公表されていない。報道では数兆ウォン規模になるとされている。
新工場にどの生産ラインを導入するかも、すべてが確定したわけではない。業界では、折りたたみスマートフォン向けの中小型OLEDや、マイクロOLEDなどへの活用が見込まれている。また、折りたたみ端末に加え、ノートパソコンやタブレットなどIT機器向けOLEDの需要拡大に対応する施設になるとの見方もある。
A7は、アサンにある既存の生産基盤を補完する位置づけだ。アサンには、2026年に量産を開始した第8.6世代のIT OLED設備であるA6もある。 A7によって、将来の需要や顧客ごとの仕様が明確になった段階で、生産設備を拡張・配置できる余地が広がる。
A7は、単に好調だった2026年上期への対応ではない。サムスンディスプレイは2040年までにディスプレイ製造分野へ総額67兆ウォンを投資する計画を掲げており、アサンを次世代スマートフォンOLED、IT OLED、高解像度マイクロディスプレイの生産基盤として整備する方針だ。
今回の建設再開には、長期的な生産能力の柔軟性を確保する狙いがある。上期の実績は、プレミアム向けフレキシブルOLEDが市場全体を大きく上回って成長し得ることを示した。さらに、折りたたみ端末市場が予測通り拡大すれば、技術難度の高いパネルを安定供給できる能力の重要性は増す。
競争を単純な「サムスン対BOE」の順位だけで捉えることはできない。BOEはスマートフォンパネル全体の規模で首位を維持しているが、サムスンディスプレイはプレミアムOLEDという高付加価値分野で勢いを強めている。Appleの高価格帯・折りたたみ製品サイクルが実現し、折りたたみ市場が予測通り成長すれば、A7はサムスンが今後の競争力を維持するための重要な生産拠点になりそうだ。