パラドロミクスは2025年5月14日、ミシガン大学で同社初となるConnexus BCIの人体埋め込み試験を実施。 Connexusシステムはリアルタイムの意図解読により毎分最大60語の発話支援を目標とし、白金イリジウム電極で10年超の耐久性を実現。

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失われた発話機能を取り戻すためのブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)開発競争に、新たな有力候補が登場した。テキサス州オースティンに拠点を置くParadromics(パラドロミクス)は、自社開発の完全埋込型BCI「Connexus」の初めての人体埋め込みを成功させ、さらに米国FDAから発話機能再建を目的とした臨床試験の承認を取得。現在、同試験の被験者を募集中である。完全埋込型システムとしては最多となる1,684チャンネルの記録電極を備え、同社は「高データ帯域幅こそが、麻痺やALS(筋萎縮性側索硬化症)などで発話困難に陥った患者に自然でリアルタイムなコミュニケーションをもたらす鍵」と確信している。
パラドロミクスは2025年6月、Connexus BCIが初めて人体に埋め込まれたと発表した。手術は同年5月14日、ミシガン大学にて、マシュー・ウィルジー医師とオレン・セイガー医師率いる学際チームによって実施された。すでにてんかん切除術を受けていた患者に対し、手術中に同システムを一時的に埋め込み、安全性と神経信号記録能力を検証
。埋め込みは約20分間で、その後取り外され、手技の安全性が確認された
。
Connexusは、完全埋込型・ワイヤレスの大脳皮質内(intracortical)BCIで、個々のニューロンからの信号を記録する。主な仕様は以下の通り。
CEOのマット・アングル氏は、毎分最大60語のコミュニケーション速度を達成可能と述べている 。また、前臨床試験ではSONICベンチマークにおいて200 bits/秒超の情報転送速度を達成—これは他社の大脳皮質内システムの初期報告値の20倍以上に相当する
。
パラドロミクスは強固な規制上の実績を積み重ねている。
パラドロミクスは、完全埋込型BCIで発話再建の治験がFDAから初めて承認された企業となった 。Connexusは発話再建と運動機能障害患者支援の2つの用途で画期的機器指定を取得している
。
主要BCI3社のアプローチは大きく異なる。下表に比較を示す。
| 項目 | パラドロミクス Connexus | ニューラリンク N1 | シンクロン Stentrode |
|---|---|---|---|
| アプローチ | 完全侵襲(大脳皮質内) | 完全侵襲(大脳皮質内) | 低侵襲(血管内) |
| チャンネル数 | 1,684 | 1,024 | 約16 |
| 主な標的 | 発話機能再建 | カーソル/デバイス操作 | テキスト入力・デジタル操作 |
| 人体症例数 | 1~(現在募集中) | 12以上 | 約10以上 |
| 規制段階 | IDE(早期実現可能性試験) | IDE | IDE、PMA(市販前承認)へ前進中 |
パラドロミクスは完全埋込型BCIの中で最多のチャンネル数を誇る 。完全埋込型システムによる発話再建試験がFDAから認められた唯一の企業である
。同社はさらに、白金イリジウム電極の設計がニューラリンクのポリマー製スレッドよりも長期生体適合性に優れ、10年超の寿命を見込む
。一方、シンクロンは開頭手術を不要とする安全性の高さ(頸静脈からカテーテルで挿入)と、市販前承認(PMA)への規制面での先行でリードしている
。
Connect-One早期実現可能性試験(EFS)は、パラドロミクスの初めての人体臨床試験である 。主なポイントは以下の通り。
発話は人体で最も複雑な運動機能の一つである。これをリアルタイムに解読するには、多数の個別ニューロンからの信号を同時に取得する必要があり、高いチャンネル数が直接的に有効である。パラドロミクスの1,684チャンネルはニューラリンクの1,024、シンクロンの約16を大きく上回り、発話生成に伴う微細な神経活動パターンの解読において高い潜在力を有する。
ただし、高チャンネル数にはトレードオフも伴う。完全侵襲的な大脳皮質内手術は、シンクロンの血管内アプローチ(頸静脈からのカテーテル挿入のみ)よりもリスクが高い。ニューラリンクはロボット手術システムで柔軟な電極を脳内に挿入するが、パラドロミクスは硬質のマイクロワイヤを直接留置する。各アプローチの相対的な安全性と長期性能は、今後の臨床データの蓄積を待つ必要がある。
初の人体埋め込みの成功、FDA治験承認の獲得、そして被験者募集の開始により、パラドロミクスはBCI分野における有力な競争者としての地位を確立した。Connect-One試験は、高チャンネル数アプローチが自然でリアルタイムな発話再建の約束を実現できるかどうか、初めての厳密なデータを提供するだろう。成功すれば、Connexus BCIは麻痺や神経変性疾患により発話能力を失った世界中の数十万人に、新たなコミュニケーションの道を開く可能性がある。
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パラドロミクスは2025年5月14日、ミシガン大学で同社初となるConnexus BCIの人体埋め込み試験を実施。
パラドロミクスは2025年5月14日、ミシガン大学で同社初となるConnexus BCIの人体埋め込み試験を実施。 Connexusシステムはリアルタイムの意図解読により毎分最大60語の発話支援を目標とし、白金イリジウム電極で10年超の耐久性を実現。
Connect One早期実現可能性試験(EFS)の被験者募集は2026年第1四半期に開始。2026年6月にはFDAのTAP加速プログラムに採択され、薬事承認に向けた道筋が加速している。
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