フォーラムは6月3日、文字通り黒煙の雲の下で開幕した 。最初のセッションが始まる数時間前、ウクライナのドローンが、バルト海最大の石油積み出し基地である「ペテルブルク石油ターミナル」と、ウクライナ国境から1100キロ以上離れた「クロンシュタット海軍基地」を攻撃したのだ
。サンクトペテルブルクのプルコヴォ空港は数時間にわたって閉鎖され、ロシア当局によると、レニングラード州上空で約60機のドローンが撃墜された
。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は今回の攻撃を、同国が仕掛ける「長距離制裁」の成功事例だと評した 。130カ国から約2万人の招待客が集まるウラジーミル・プーチン大統領の旗艦イベント「ロシアのダボス会議」の初日を狙ったこの攻撃は、モスクワが演出しようとする「正常性」と「経済的回復力」を象徴的に、そして戦略的に妨害する行為と広く受け止められた
。
フォーラムでのエネルギーに関する議論には、近年にないOPEC+の重大な亀裂という亡霊がつきまとった。アラブ首長国連邦(UAE)は5月1日、正式にOPECとOPEC+の両方から脱退し、59年にわたる加盟の歴史に幕を閉じた。これは、産油国グループで第3位の生産国が離脱することを意味した 。この決定はSPIEFの公式議題には上がっていなかったものの、関係筋は、この問題が翌7日の全体会合で話し合われることを確認した
。UAEの離脱により、同国は生産枠から解放され、独自の野心的な生産能力目標を追求できるようになる。しかし、残された加盟国は、かつてないほど不安定化した市場を、その機能不全に陥ったツールキットで管理していかなければならない
。
SPIEF閉幕の翌日、6月7日に予定されているOPEC+会合は、UAE離脱後の新たな枠組みを起草する場となると広く目されていた。5月3日には主要7カ国による予備的なオンライン会合が開かれ、6月の日量18万8000バレルの小幅な増産が承認された。アナリストらはこれを、連帯の象徴的な動きと見ていた 。6月7日の本会合では、UAEの離脱枠を再配分する複雑な問題や、中東から発生している深刻な供給リスクへの評価といった難題に取り組むことが予想されていた
。
ノバク氏は、継続中のイラン紛争から生じるリスクについて、最も憂慮すべき見解を示した。同氏は、もしペルシャ湾岸地域の生産が回復しなければ、世界の石油市場は「数ヶ月以内」に深刻な供給不足に直面する可能性があると警告した 。同氏は、市場がすでに大幅に縮小した余剰生産能力のもとで動いていると指摘。世界の石油供給の5分の1が通過する重要拠点「ホルムズ海峡」の封鎖により、ペルシャ湾岸全域の生産が急激に落ち込んでいることが、その背景にある
。
「グローバルエネルギーシステム:世界のエネルギー部門はいかに課題とリスクに対応するか」と題されたハイレベルのセッションでは、まさにこのホルムズ海峡の安全保障問題と、サプライチェーン途絶の連鎖的なリスクが正面から議題となった 。サウジアラビアがSPIEFのゲスト国に選ばれたのは偶然ではなく、主催者側は、この危機が渦巻く中、エネルギーディプロマシーを中心テーマの一つに据える意図があったのだ
。サウジのアブドゥルアズィーズ・ビン・サルマン・エネルギー相はフォーラムの傍らでノバク氏と会談し、ウクライナと中東での戦争が、OPEC+の上位2つの産油国にとって、正式な生産協定を象徴的なものにしかねない事態を招いていることを受け、「エネルギーセクターの安定化」を呼びかけた
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