さらに、10x Founders、Antler、Adesso Ventures、Angel Investといった欧州を代表する投資家も参画。Adesso Venturesはドイツの大手ITコンサルティング企業AdessoのVC部門であり、SAP導入の最前線を知るプレイヤーの参加も注目される 。
QoreloのAIプラットフォームは、SAPを置き換えるものではない。代わりに、SAPが定める移行方法論「SAP Activate」の中で、これまでコンサルタントが数千時間かけて行ってきた「機能的デリバリー」業務を自動化する。具体的には、既存システムの設定分析、カスタムコードの文書化、移行元と移行先のデータ項目マッピング、機能不足の洗い出し、テスト調整、ステークホルダー承認管理などだ 。
これらのドキュメンテーションとプロジェクト管理をAIで自動化することで、Qoreloは移行プロジェクト全体の期間を最大45%短縮し、新しいSAP S/4HANA環境の価値を早期に引き出せるとうたう 。
創業5カ月のスタートアップにとって、最初の顧客が世界的自動車メーカー「メルセデス・ベンツ」であることは強烈なアピールポイントだ。QoreloはすでにDACH地域(ドイツ、オーストリア、スイス)のエンタープライズ企業数社と協業しており、メルセデス・ベンツではSAP変革プログラムと日常業務プロセスの双方に同社プラットフォームが活用されている 。
巨大企業のERP(基幹業務システム)環境で成果を出せれば、他のグローバル企業への展開における強力な実績となるだろう。
早くも大口顧客を獲得したQoreloだが、2027年の期限が迫る中で急増する需要を取り込むには、組織の急拡大が不可避だ。同社は今回調達した3.5億円をプロダクト開発の加速とチーム拡充に投じる方針。特にエンジニア、SAP領域に精通した専門家、そして大企業向け営業の各層を強化する 。
複雑な企業システムを扱うAIプラットフォームの改良と、保守的な大企業への営業活動を同時にスケールさせること。それが、今後12カ月のQoreloにとって最大の挑戦となる。
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