米国市場への攻めも負けてはいない。Legoraは2025年3月にニューヨークに米国第1号オフィスを開設し、続いてデンバーに進出。2026年初頭には、ヒューストンとシカゴへの新オフィス開設を発表した 。
都市の選択には、顧客密着型の明確な戦略が見える。ヒューストンはエネルギー、シカゴはプライベート・エクイティ(PE)や金融、企業再編といった高単価な案件が集まる、全米屈指のリーガルマーケットだ 。同社はすでに、米国の大手法律事務所であるWhite & Case、Cleary Gottlieb、Goodwinを顧客として獲得しており
、これらの新拠点を通じて、さらに深く米国市場に食い込む構えだ。
Legoraの米国における従業員数目標は、2026年末までに300人以上 。同社CEOのMax Junestrand氏は、米国の法律事務所や企業の法務部門がAIの「実験段階」から「組織全体への本格導入」へ急速に舵を切っており、その需要が予想を上回っていると語る
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Legoraの急拡大は、過去1年間で加速した巨額の資金調達によって支えられている。その歩みは、リーガルAI市場への投資家の熱狂を物語る。
シリーズDは、米国事業拡大のための軍資金と明確に位置づけられている。同社は調達発表時に、資金を「米国全域での拡大を加速」させるために、プロダクト、インフラ、現地サポートチームに投入すると宣言した 。1年足らずで3回の大型調達を成功させた事実が、投資家の強い期待と、複数地域で同時に競争を勝ち抜くための莫大な資金ニーズを物語っている。
Legoraの中核製品は、法律事務所や企業法務部門向けの協業型AIプラットフォームだ。文書レビュー、契約書の起草、判例調査、ワークフロー自動化などを支援する 。2026年3月時点で世界50カ国・800以上の法律事務所が利用し、Linklaters、Cleary Gottlieb、デロイトリーガルUKといった名だたるファームが顧客に名を連ねる
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最大のライバルは、同じくAIリーガルテックのユニコーンであるHarveyだ。面白いのは、その攻め方の違いだ。米国発のHarveyが欧州への進出を強める一方で、ストックホルムで生まれ、今や本社をニューヨークに移したLegoraは、米国市場を本格攻略しようとしている 。いわば、両社は大西洋を挟んで「シーソーゲーム」のような陣取り合戦を繰り広げているのだ。
しかしLegoraには「地の利」がある。欧州市場では、米国発のHarveyに対して「地元欧州で生まれたチャンピオン」という立ち位置を確立できる。同時に、ニューヨークへの本社移転と積極的な米国採用は、「単なる欧州企業」ではなく、米国市場でも対等に戦うプレイヤーであることを示す強烈な意思表示だ。
Yコンビネーター出身企業として「最速で50億ドル評価額に到達した」という実績 もまた、優秀な人材や顧客、投資家を引き寄せる強力な「勢い」のシグナルとなっている。累計約8億1600万ドルの資金と、2026年末までに欧米で約1000人規模の従業員を擁するという計画は、その評価額に見合うだけの巨大なオペレーション基盤を築き上げるという同社の本気の表れだ。
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