コロンビア拠点のステーブルコイン決済アプリ「エル・ドラド」が、パラダイム主導で900万ドルのシリーズA資金調達を発表。ラテンアメリカの金融サービスが行き届いていない市場での越境決済網を拡大。 累計ユーザー数100万人、取引処理件数500万回を突破。中国から電気自動車を輸入する100社以上の企業が、新B2Bサービスの顧客に。

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ステーブルコインを使った決済インフラは、ラテンアメリカで急速に現実のものとなりつつある。この地域で最も急成長しているフィンテック企業の一つが、2026年6月15日、暗号資産業界を代表する投資家から大きな信任を得た。コロンビア拠点の決済アプリ「エル・ドラド(El Dorado)」は、パラダイム(Paradigm)主導、コインベース・ベンチャーズ(Coinbase Ventures)とヴェルダ・ベンチャーズ(Verda Ventures)の参加による900万ドルのシリーズA資金調達ラウンドを発表した 。
今回の大型調達は、エル・ドラドが、従来の銀行取引が高額あるいは利用不可能なラテンアメリカの「未開拓の回廊」に向け、越境決済インフラを拡張するための重要な一歩となる。
エル・ドラドの歴史を振り返ると、今回のラウンドは、2024年6月にマルチコイン・キャピタル(Multicoin Capital)主導で実施した300万ドルのシードラウンドを大きく上回る規模だ 。当時の資金調達を原動力に、同社は個人向け「スーパーアプリ」を開発。現在、アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、コロンビア、パナマ、ペルーの6カ国で100万人を超えるユーザーを抱え、500万回以上の取引を処理するまでに成長した
。アプリ内では70以上のローカル決済手段と連携し、USDTやUSDCといったステーブルコインを用いて、低コストのブロックチェーン上で送金・両替・支払いを実現している
。
今回のシリーズA調達は、エル・ドラドの重心が「企業間(B2B)決済」へと大きく舵を切ったことを示している。同社が立ち上げた越境決済サービスは、ステーブルコインと法定通貨(フィアット)のチャネルを統合し、ラテンアメリカの越境決済市場、規模にして約1兆ドル、その推定6割をB2B取引が占める市場に狙いを定めている 。このサービスはすでに100社以上が導入しており、その多くが中国からの電気自動車(EV)輸入に活用している。これは、中国のEV輸出企業とラテンアメリカのバイヤーを結ぶ、成長著しい貿易回廊である
。
エル・ドラドのB2B戦略で特筆すべきは、従来の銀行網が脆弱で割高になりがちな「域内回廊」に照準を合わせている点だ。資金調達の発表でも繰り返し言及されているのがブラジル・ボリビア間であり、貿易決済のコストと複雑さを劇的に下げる狙いがある 。
エル・ドラドのB2B決済サービスを技術面で支えるのが、Tempo(テンポ) だ。これは、グローバル決済大手のストライプ(Stripe)と暗号資産ベンチャーキャピタルのパラダイムが共同で育成した、大規模なステーブルコイン決済専用のレイヤー1ブロックチェーンである 。
Tempoは2025年9月にパラダイム共同創業者のマット・ファン(Matt Huang)氏が発表し、同年12月にパブリックテストネットを開始。そして2026年3月18日にメインネットを正式ローンチし、AIエージェントによる自律的な取引を可能にする「Machine Payments Protocol」も同時に公開した 。
パラダイムの発表によれば、Tempoはエンタープライズ規模の決済処理を想定し、毎秒10万件以上(10万+ TPS)の処理能力、サブセカンド(1秒未満)のファイナリティ、手数料のステーブルコイン建て支払いといった仕様を備える 。開発段階では、Visa、ドイツ銀行(Deutsche Bank)、Shopify、Nubank、Revolutといった名だたる企業がデザインパートナーとして参画しており、新規ブロックチェーンの立ち上げとしては異例の厚みのある布陣である
。
Tempoはその企業価値でもインパクトを残している。2025年10月には、グリーンオークス(Greenoaks)とスライブ・キャピタル(Thrive Capital)主導で5億ドルのシリーズAラウンドを調達し、評価額は50億ドルに達した。セコイア(Sequoia)やリビット・キャピタル(Ribbit Capital)なども参加している 。パラダイムのマット・ファン氏は、ストライプの取締役を兼務しながら、引き続きTempoのCEOとしてチームを率いている
。
調達した資金を使い、エル・ドラドはステーブルコインを駆使した越境決済インフラを、銀行サービスが高コストなラテンアメリカの未開拓市場へと拡張し、B2B越境決済機能を一層強化する計画だ 。
100万人のリテールユーザーを抱え、中国からのEV輸入という確固たるB2B商流を確立したエル・ドラドは、今まさに二つの巨大なトレンドの交差点に立っている。それは、Tempoに象徴される「ステーブルコイン・インフラの制度化」と、ラテンアメリカに根強い「より安く、速く」を求める越境決済への渇望だ。
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コロンビア拠点のステーブルコイン決済アプリ「エル・ドラド」が、パラダイム主導で900万ドルのシリーズA資金調達を発表。ラテンアメリカの金融サービスが行き届いていない市場での越境決済網を拡大。
コロンビア拠点のステーブルコイン決済アプリ「エル・ドラド」が、パラダイム主導で900万ドルのシリーズA資金調達を発表。ラテンアメリカの金融サービスが行き届いていない市場での越境決済網を拡大。 累計ユーザー数100万人、取引処理件数500万回を突破。中国から電気自動車を輸入する100社以上の企業が、新B2Bサービスの顧客に。
エル・ドラドの企業間決済は、ストライプとパラダイムが共同開発した決済特化型レイヤー1ブロックチェーン「Tempo」上に構築。2026年3月にメインネットが稼働開始。
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