OpenAIは、最上位モデル「GPT-5.6 Sol」の開発者向け料金を20%超引き下げました。標準的な短コンテキスト利用では、API料金が入力で100万トークンあたり4ドル、出力で20ドルとなります。新料金の適用期間は3カ月で、APIだけでなく、ChatGPT WorkとCodexの対象クレジットにも広がります。115
Anthropicや中国系AIモデルとの競争が強まるなか、OpenAIが推論性能を重視した最上位モデルでも価格競争を仕掛けた形です。開発者にとっては、期間中の従量課金を抑えられる一方、長期的な予算計画ではキャンペーン終了後の料金に注意が必要です。1
GPT-5.6 Solの料金はどう変わった?
値下げ前、GPT-5.6 Solの標準・短コンテキスト料金は、入力が100万トークンあたり5ドル、出力が30ドルでした。今回の変更は次のとおりです。
| GPT-5.6 Solの利用区分 |
旧料金 |
キャンペーン料金 |
| 入力トークン(100万あたり) |
5ドル |
4ドル |
| 出力トークン(100万あたり) |
30ドル |
20ドル |
入力料金は20%下がり、出力料金は3分の1の値下げです。OpenAIは全体として20%超の値下げと説明しています。115
ただし、これはSolの通常リスト価格が恒久的に変更されたことを意味するものではありません。OpenAIの発表では、APIおよびクレジットの新料金は今後3カ月間適用されるとされています。15
対象になるサービスと対象外のプラン
今回の値下げは主に次の2分野が対象です。
- OpenAI API:開発者がトークン使用量に応じて支払う従量課金
- ChatGPT WorkとCodexの対象クレジット:エージェント型AIやコーディング機能で使うクレジットの一部 1
一方、報道では通常のChatGPTのPlus、Pro、Businessのサブスクリプション料金は変更されていないとされています。ただし、各プランに含まれる利用量の計算方法や上限について、今回確認できるOpenAIの発表抜粋には詳しい説明がありません。2023
そのため、「サブスクリプション料金の区分は変わらない」という点と、「各プランの利用枠や条件がすべて同じ」という点は分けて考える必要があります。
Claudeとの料金比較
Anthropicの公式料金表では、Claude Fable 5は入力10ドル・出力50ドル、Claude Opus 5は入力5ドル・出力25ドルです。3145
| モデル |
入力(100万トークンあたり) |
出力(100万トークンあたり) |
| GPT-5.6 Sol(期間限定料金) |
4ドル |
20ドル |
| Claude Opus 5 |
5ドル |
25ドル |
| Claude Fable 5 |
10ドル |
50ドル |
単純な標準トークン料金で比べると、GPT-5.6 Solは次の水準になります。
- Claude Opus 5に対して、入力・出力とも20%安い
- Claude Fable 5に対して、入力・出力とも60%安い
これは各社が公表する標準的な1トークン単価をそろえた比較です。実際の請求額は、キャッシュ利用、コンテキスト長、バッチ処理、入力と出力の比率などによって変わります。したがって、料金表だけでタスク単位の最安モデルや、性能あたりのコストまで判断できるわけではありません。
GPT-5.6 TerraとLunaもすでに値下げ
Solの値下げに先立ち、OpenAIは7月30日にGPT-5.6シリーズの下位モデルも値下げしていました。
- GPT-5.6 Terra:入力は2.50ドルから2ドル、出力は15ドルから12ドルへ。値下げ幅は20%
- GPT-5.6 Luna:入力は1ドルから0.20ドル、出力は6ドルから1.20ドルへ。値下げ幅は80%
7月のOpenAI発表時点では、Solの標準料金は変更されていませんでした。121315
開発者にとっての意味
SolをAPIや対象のWork・Codexクレジット経由で利用するチームにとって、キャンペーン期間中は同じモデルをより低いトークン単価で運用できます。特に、長文の回答やコード、複数ステップのエージェント処理を生成するアプリケーションでは、出力料金が30ドルから20ドルに下がる効果が大きくなります。
一方で、予算管理には留保が必要です。今回のSolの値下げは恒久的なリスト価格改定ではなく、3カ月間のプロモーションとして発表されています。そのため、開発チームは新料金のほか、キャンペーン終了後に従来の入力5ドル・出力30ドルへ戻るケースも含めて試算すべきです。
新料金によってGPT-5.6 Solは、Claude Opus 5やClaude Fable 5よりもトークン単価の安い選択肢になりました。ただし、これだけでSolがすべての用途で最も費用対効果に優れる、あるいは特定の作業で最高性能を発揮することが証明されたわけではありません。実際の判断では、タスクの成功率、出力トークン数、速度、キャッシュやバッチ処理の条件まで含めて比較する必要があります。