これは、企業のセキュリティチームにとって大きな前進を意味する。既存のネットワークポリシーをAIエージェントにも適用し、AIがアクセスできる範囲を制限し、承認された範囲外にデータが流出するのを防ぐことができるからだ。
またAnthropicは、サンドボックスと並行して「MCPトンネル」というリサーチプレビュー機能も発表した。これは、企業ネットワーク内にある非公開の「Model Context Protocol(MCP)」サーバーに、Claude Managed Agentsがインターネット上に公開することなくアクセスできるようにするものだ。
リリース当初にサポートされるマネージドプロバイダは、Cloudflare、Daytona、Modal、Vercelなど。現在、この機能はAPI呼び出しに特定のベータヘッダー(anthropic-beta: managed-agents-2026-04-01)が必要であり、AWS上での「Claude Platform」ではまだ利用できない。
もう一つの発表は、Claude Code向けの無料のセキュリティガイダンスプラグインだ。これは、リアルタイムで動作する脆弱性スキャナーの役割を果たす。公式マーケットプレイスからインストールすると、Claudeのファイル書き込み、編集、複数編集といった操作にフックし、コードの変更が適用される前に危険なパターンをスキャンする。 もし問題を検出すれば、同じ開発セッション内でClaude自身が修正を支援できるため、別のセキュリティツールや追加のコマンド操作を一切必要としない。
リリースドキュメントによると、このプラグインは正規表現ベースのマッチングを用いて約25種類の危険なコードパターンを検出する。具体的な脆弱性のカテゴリとしては、GitHub Actionsのワークフローにおけるコマンドインジェクション、危険な child_process.exec() の呼び出し、eval() や new Function() の使用、innerHTML などのクロスサイトスクリプティング(XSS)ベクター、Pythonの pickle を用いた安全でないデシリアライズなどが含まれる。
このプラグインは、3つの深さでClaudeの作業をレビューする。各ファイル編集時、モデルの出力時、そしてコミット時だ。プルリクエストに近づくにつれて、段階的により深いチェックが行われる仕組みである。
Anthropicは、このプラグインを社内で使用した結果、プルリクエストにおけるセキュリティ関連のコメントが30~40%減少したと報告している。人間によるレビューの前段階として、効果的で軽量な「最初のふるい」として機能することが示された形だ。 注目すべきは、このプラグインが開発セッション中に自動的に実行される点で、開発者はスキャンの開始を意識したり、別のツールを起動したりする必要がない。
今回の発表は、単発的な実験ではない。Anthropicが2026年初頭から集中展開しているセキュリティ強化策の最新章にあたる。
これらを総合すると、Anthropicの戦略は明確に3層のセキュリティを標的としている。
すでにClaudeのコーディングツールで開発を進めている企業にとって、Anthropicのメッセージは明白だ。AIによる開発支援が普及するためには、AIによるセキュリティ対策がそれと一体でなければならない、と。