シティの反応は迅速かつ多角的だった。クラブ声明は、そもそもハーランドに契約解除条項は存在せず、移籍が実現する可能性は皆無であると断言 。これに呼応するように、ハーランドの父親アルフィー氏と代理人ラファエラ・ピメンタ氏も、リケルメ氏の発言を「面白い話だが、事実ではない」と一蹴した
。
シティの怒りの根源は、移籍の噂自体よりも、政治的な選挙キャンペーンにおいて、クラブの最重要資産である選手のイメージが許可なく利用された点にある。英メディアによれば、シティ首脳陣は「選挙運動に許可なくトッププレーヤーのイメージを使うことは許されない」という認識で一致しているという 。
しかし、当のリケルメ氏に退く気配はない。同氏はハーランドに加え、同じくシティの大黒柱であるバロンドール受賞者のロドリの獲得も公約に掲げ、「もし実現できなければ、ソシオ(クラブ会員)10万人全員の会費を返済する」とまで言い切った 。シティとハーランド陣営からの激しい反発に対し、リケルメ氏は「これも勝負のうちだ」と述べ、具体的な計画があると主張し続けている
。
この前代未聞の騒動は、マンチェスター・シティが大きな転換期を迎えている最中に起きた。クラブを10年にわたり率いてきた名将ペップ・グアルディオラ監督の今季限りでの退任が決定的となっており、後任にはチェルシーの前指揮官エンツォ・マレスカ氏が3年契約で合意に達したと広く報じられている 。
複数の情報筋によると、ハーランドは2034年までの長期契約をシティと結んでおり、マドリードへの移籍を可能にするような条項は存在しない 。グアルディオラ時代の終焉と新体制への移行という不確実な時期にあって、シティはこの選挙スタントを、クラブの資産とブランドを守るための試金石と捉えているようだ。法的措置も辞さないという強硬姿勢の背景には、絶対的エースに対する外部からの“ちょっかい”を断固として封じ込め、ポスト・グアルディオラ時代へ向けた強固な意思表示を行いたいという狙いが透けて見える
。
Comments
0 comments