アメリカ司法省は2025年、チェンを電信詐欺とマネーロンダリングで起訴。カンボジアに詐欺拠点を設け、偽の恋愛関係や暗号資産(仮想通貨)投資話を用いて世界中の被害者を騙し、約150億ドル相当のビットコインを不正に移動させたとしている。この規模は、米司法省が過去に請求した没収請求の中で最大級とされる
。イギリスとアメリカは2025年10月、チェンと彼の事業(プリンス・グループ)への制裁も発動していた
。カンボジア中央銀行はその後、チェンのグループ企業であるプリンス銀行の清算を命じている
。
リウ・レンは、チェン・ジーが首謀する犯罪グループの「中心人物」であり、2026年6月17日、カンボジアから中国への身柄引き渡しが完了した。中国公安部(MPS)はプノンペンからリウを護送し、中国南方航空の機体から連れ出される際、黒い袋を頭から外された手錠姿のリウの映像を公開している
。
リウはカンボジアの安徽商工会議所(Anhui Chamber of Commerce in Cambodia)の会長を務めていたが、プノンペンでサイバー詐欺、人身売買、武器取引、恐喝、マネーロンダリングの容疑で逮捕されていた。この身柄引き渡しは、詐欺拠点の取り締まりが組織トップに留まらず、組織全体の解体へと拡大していることを示している
。
チェンの指示の下、リウは2016年にカンボジアでジンベイグループ(金貝グループ/Jinbei Group)を設立した。同グループは複数のオンラインギャンブルプラットフォームと、いわゆる「テレコミュニケーション詐欺パーク」を運営。積極的に中国人を勧誘し、オンラインギャンブルや大規模な通信詐欺に関与させていた
。これらの拠点は、カンボジアが犯罪シンジケートのハブとして機能している実態の一端を示している
。
チェンとリウに対する嫌疑は複数の国にまたがり、重大な犯罪を含んでいる。
チェン・ジーとリウ・レンの連続した身柄引き渡しは、中国とカンボジアの法執行協力が著しく強化されたことを示している。カンボジアの外相は、国境を越えた犯罪活動への取り組みは終わっておらず、詐欺拠点の取り締まりは今後も継続されると述べている。メコン地域の詐欺産業にとって、この事件は、たとえ強力なコネクションを持つ人物であっても国際的な正義の前には逃れられないという明確な警告となった。
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