NATOとウクライナは、ロシア軍機を離陸前に基地ごと足止めする技術を見つけ出すためのコンペティションを共同で立ち上げた。「Innovation Challenge 2026-2 (iChall26-2): Persistent Airfield Denial(持続的滑走路妨害)」 だ。賞金総額は最大 25万ユーロ(約4,000万円) に上り、ウクライナの実戦運用経験を直接反映した課題設定となっている 。
このチャレンジは、NATOイノベーション・チャレンジシリーズの第19弾にあたる 。敵の航空戦力を「出撃元」で封じ込めるため、航空機、滑走路、燃料・弾薬庫、地上支援施設など、航空インフラ全体を標的にする技術が求められる。GPSが使えない環境でも動作するソリューションも歓迎される
。
コンペは2026年6月19日に正式発表され、同年9月3日にはワルシャワで対面イベントが予定されている 。ウクライナ国防省は声明で次のように述べている。「ロシアの航空機が出撃してウクライナを攻撃するとき、そのすべては滑走路から始まります。だからこそNATOとともに、敵の滑走路を持続的に封鎖するための解決策を探しています」
。
このチャレンジは単なる資金提供の機会ではない。ウクライナがNATO内で「支援を受け取る側」から「同盟の技術優先順位を共同で設計する側」へと役割を変えつつあることを示す具体的な証拠だ。
コンペの課題設定は、明示的に「ウクライナの作戦経験を活用」しており、敵が航空戦力を生み出す源を断つための実用的なソリューションを特定することを目指している 。つまり、ウクライナの戦場の教訓が、将来のNATO能力のための作戦要求事項の主要な情報源として扱われているのだ。これは通常、同盟の完全な加盟国にのみ与えられる地位である。
さらにこのコンペは、2025年11月に発足した初のNATO・ウクライナ共同イノベーションプログラム 「UNITE – Brave NATO」 の一環でもある 。UNITEプログラムは、同盟国とウクライナの技術チームが共同で取り組む課題(対UAVシステム、防空、安全な通信など)に対して、総額 1,000万ユーロ の契約資金を提供する
。プログラムのウクライナ側の調整は、防衛イノベーションクラスター「Brave1」が担当している
。
このパートナーシップの重要性を理解するには、ウクライナ軍の規模を把握する必要がある。どの指標で見ても、ウクライナは現在、欧州で最も大規模かつ戦闘経験豊富な軍隊の一つを擁している。
重要な注意点と補足:
ウクライナ軍は2022年2月の約19万6千人の現役兵力から、2025年には全編成で約90万人の兵力へと、全面侵攻を契機に4倍以上に拡大した 。
「Persistent Airfield Denial」チャレンジは、NATOとウクライナの協力における一つのマイルストーンだ。ウクライナの戦争経験が、事後報告書を通じてではなく、技術コンペの積極的な共同設計を通じて、同盟のイノベーション・アジェンダを直接形成するのはこれが初めてである。賞金額は、より大規模なUNITEプログラムの1,000万ユーロポートフォリオに比べれば控えめだが、そのシグナルは極めて重要だ。ウクライナはもはや防衛技術を受け取るだけの存在ではない。同盟が次世代の防衛技術を構築するのを支援しているのである。
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NATOとウクライナが共同で「Innovation Challenge 2026 2 (iChall26 2): Persistent Airfield Denial」を立ち上げ。賞金総額は最大25万ユーロ。
NATOとウクライナが共同で「Innovation Challenge 2026 2 (iChall26 2): Persistent Airfield Denial」を立ち上げ。賞金総額は最大25万ユーロ。 ロシア軍機の離陸前に滑走路や燃料庫、航空機そのものを持続的に無力化する技術を求める。
コンペはNATO変革連合軍司令部(ACT)とNATO・ウクライナ合同分析訓練教育センター(JATEC)が主催。
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