Wave Venturesは、フィンランド・ヘルシンキに拠点を置く、学生が設立したベンチャーキャピタルだ。投資チームは全員が25歳以下というユニークな構成で、リミテッド・パートナーにはヨーロッパを代表するテック企業の創業者たちが名を連ねる。今回、過去最大規模の新ファンドと、通常のエクイティ交換を前提としない革新的な給付金プログラムが発表された。ここでは、新ファンドの規模、給付金プログラムの詳細、両者を支える数字を詳しく見ていく。
Wave Venturesは2026年6月に、第3号ファンドを1000万ユーロ(約15億円)でクローズした。これは、前回の200万ユーロファンドと比較して5倍の規模にあたる 。2025年5月時点では700万ユーロでのクローズを発表し、前回の3倍になると報じられていたが、最終的には8桁(ユーロ)の大台に乗せた
。この200万ユーロから1000万ユーロへの飛躍は、リミテッド・パートナーによる、Gen Z起業家への最初期投資戦略に対する確信の深まりを示している。
このファンドの運営は、全員が25歳以下の投資家のみで行われている。これは、ヨーロッパ最大のGen Z主導かつGen Z特化型ベンチャーキャピタルとしての地位を確固たるものにしている 。現在のチームは、CEOのアントニア・エネを筆頭に、投資マネージャーのブロル・ノルドストローム、エリス・ホジック、マー・ツェチェン、ユーナ・プーロ、ティファニー・トゥイスク、ヨハネス・コスキネン、そしてマーケティングとコミュニケーションを担当するエマ・ケットゥネンで構成されている
。この布陣は、投資先の創業者と同世代の、意図的に若い運営基盤を反映したものだ。
第3号ファンドのリミテッド・パートナーには、Slack、Bolt、Skype、Wolt、Supercell、Silo AIといった、世界的なテック企業の創業者や主要人物、さらに欧州のアーリーステージVCやファミリーオフィスが名を連ねる 。同社の過去のファンドには、すでにイルッカ・パーナネン(Supercell創業者)、クリスト・オヴァスカ(Smartly創業者)、ミキ・クーシ(Wolt創業者)らが投資家として参加していた
。この支援者リストは、北欧発のユニコーン企業の人材と世界規模のプラットフォーム創業者を橋渡しするもので、Wave Venturesのポートフォリオ企業は、資本だけでなく、彼らのネットワークや事業運営のノウハウにもアクセスできる。
Wave Venturesは、北欧とバルト地域において、Z世代が率いるスタートアップに焦点を当て、エンジェル投資とプレシード投資を実行する。第3号ファンドでは、1社あたりの投資額は最大で10万ユーロから30万ユーロに達し、年間10社から20社への投資を目指す 。
同社のこれまでの投資実績は50社を超える。2024年には、Andon Labsを含む複数の北欧のポートフォリオ企業が、世界的アクセラレーター「Y Combinator」に採択されている 。複数年にわたるこのY Combinatorへの輩出実績は、北欧・バルト地域のエコシステムにおける、Wave Venturesの初期段階のパイプラインとしての地位を強化している。
第3号ファンドの発表と同時に開始された**「Wave Rebellion Grant」**は、**24万ユーロ(約3600万円)**規模のプログラムだ。これは、事業アイデアがまだない、収益もない、資金調達もしたことがないという、まさに「ゼロ」の段階にいる北欧の創業希望者向けに設計されている 。通常のベンチャーキャピタルでは投資対象外となる、会社設立や資金調達の経験すらない起業家に対し、株式の譲渡やその他一切の義務を課すことなく、現金とパートナー企業からのサービス利用クレジットを支給する
。
この給付金プログラムを支援するのは、AWS、Anthropic、Lovable、Modal、Verdaといった、AIとクラウドインフラの最前線に立つ企業たちだ 。これらのパートナーが参画することで、単なる資金提供を超え、アイデアの具体化に必要な開発環境やAIプラットフォームのクレジットが受給者に提供される。構想段階の起業家にとって、これは単なる現金注入以上の実践的な価値を持つ。
Wave Venturesの役割は、直接投資や給付金の提供に留まらない。同社は人材ネットワークを運営し、エコシステム構築のためのイニシアチブを組織している。卒業生たちは、北欧のスタートアップ人材のためのコミュニティ主導型イニシアチブ「Founders House」を立ち上げた 。また、同社はAkindoを通じた「Wave Hacks」のようなビルドソンやハッカソンを定期的に開催し、正式に会社を設立する前の技術系創業者を発掘・支援している
。学生が運営するこの独自モデルを通じて、Wave Venturesはベンチャーファンドとしてだけでなく、北欧・バルト地域のスタートアップエコシステムにおける人的パイプラインとしても機能し、Gen Zの起業家たちがその旅の最初期に、資本、ネットワーク、そして事業運営のサポートを得られるようにしている。
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ヘルシンキ拠点のVC「Wave Ventures」は、2026年6月に第3号ファンドを約15億円(1000万ユーロ)でクローズ。これは前回ファンドの5倍の規模で、Z世代起業家への強いコミットメントを示す。
ヘルシンキ拠点のVC「Wave Ventures」は、2026年6月に第3号ファンドを約15億円(1000万ユーロ)でクローズ。これは前回ファンドの5倍の規模で、Z世代起業家への強いコミットメントを示す。 新ファンドでは1社あたり最大約450万円を投資し、年間10〜20社のGen Zスタートアップを支援。Slack、Wolt、Supercellなどの創業経験者がLPとして名を連ねている。
注目はファンドと同時に発表された、総額約3600万円の「Wave Rebellion Grant」。アイデアも売上も資金調達もまだの段階の若者を対象に、返済や株式譲渡の義務なしで資金とAI開発クレジットを提供する。
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