アロンソとアストンマーティンとの契約は2026年末で切れるが、今のところ延長の公式発表は何もない。 チームの2026年シーズンの競争力は明らかに低調で、彼のコメントからもフラストレーションが垣間見える。"残念だけど、高いパフォーマンスで締めくくれそうにない"
アストンマーティンのCEOであるアンディ・カウエルは一貫してアロンソを称賛してきた。シミュレータでのフィードバックや優先課題の見極め方を「信じられないほど素晴らしい」と絶賛し、"共に良い形で終わりたい"と双方の思いが一致していることを強調した。 またカウエルは2025年の段階で、"彼は来季も我々と契約しているし、より長くブランドアンバサダーとして留まってほしい"とも述べている。
しかしその一方で、カウエルは2025年後半の時点で「引退について彼と具体的な話をしたことは一度もない」と認めている。 2026年のドライバーラインナップは明言しているものの、2027年以降に関しては沈黙が続いており、この空白こそが憶測を呼ぶ最大の原因だ。
パドックで最も劇的に語られているのが、アロンソの4度目となるアルピーヌ(旧ルノー)復帰のシナリオだ。この話が現実味を帯びる理由は明白で、それはフラビオ・ブリアトーレの存在である。かつてルノーでアロンソの二度のワールドチャンピオン獲得を指揮した辣腕マネージャーが、2024年にアルピーヌのエグゼクティブアドバイザーとして現場に復帰。2027年からのメルセデス製パワーユニット(PU)へのスイッチを決定づけた立役者でもある。
『PlanetF1』や『Motorsport Italy』などの海外メディアは、アロンソが2027年に「グッチ・レーシング・アルピーヌ」へ1年契約で加入する可能性を報じてきた。 この噂が加速したのは、2025年のカナダGPの週末にアロンソがアルピーヌのホスピタリティを複数回訪れたことが発端だ。ただしチーム側は「ただランチをしに来ただけだ」と一笑に付している。
ここで重要なのは、これらの報道がアロンソ本人やチームの公式筋によって一切確認されていないことだ。アストンマーティンの広報担当者は噂を「事実無根、単なるパドックのゴシップだ」と一蹴しており、アロンソ自身も噂を明確に肯定する発言はいっさいしていない。 だが、本人が完全否定もしないからこそ、この物語は生き続けている。
本稿で参照した33の出典のすべてが、現時点では「何も決まっていない」という一点で一致している。アロンソは新たなアストンマーティンとの契約にサインしておらず、引退も発表しておらず、アルピーヌとの交渉も認めていない。アルピーヌシナリオは状況証拠と人間関係によって構築された「ライブな噂」であり、公式な裏付けは一切存在しないのだ。
今、我々が確実に言えるのは、この二冠王者の未来は依然として大きな「白紙」であるということ。そして、それは予測を何よりも好まないこのドライバーにとって、いかにもふさわしい立ち位置と言えるだろう。