QRTは株式、先物、その他の流動性の高い資産クラスを対象に、系統的かつコンピューター主導の戦略を世界的に展開している。2018年のスピンオフ時から約6.2兆円の運用会社への成長は、世界のヘッジファンドの上位1%に入る快挙だ
。
QRTは複数のプライムブローカー、取引所、中央清算機関(CCP)と関係を持っている。しかし、バークレイズが同社にとって最も重要なプライムブローカーとして浮上している。この関係は、両社間の人材の流れにまで深まっている。元バークレイズのプライムサービスディレクター、エイリッド・マッケンジー氏は2025年2月に直接QRTにオペレーションディレクターとして移籍した
。また、バークレイズのプライムサービスでVPだったジェームズ・プロフィット氏は2026年3月にQRTのEMEA ETF COOに就任した
。これらの人事異動は、両組織間の業務上の密接な関係を示している。
QRTとの関係は、バークレイズのプライムブローカレッジランキング上昇の主要な原動力となっている。調査会社BCGエキスパンドのデータによると、バークレイズは2024年6月までにプライムブローカレッジの手数料収入ランキングで5位に浮上した。5年前の約7位から上昇したことになる。別の情報源もこの5位の順位を確認している
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他の指標でもバークレイズの存在感の拡大が示されている:
QRTという単一のクオンツ顧客からの巨額の想定元本取引は、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、JPモルガンが支配するビジネスにおいて、バークレイズに大きな収益の後押しをもたらした。しかし、これ以上の順位上昇は容易ではない。これら3つのウォール街の巨人がプライムブローカレッジ市場の約50%のシェアを占めているからだ
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深いパートナーシップにもかかわらず、QRTはバークレイズ株に対して空売りポジションも同時に維持しており、この関係の核心に驚くべき緊張関係を生み出している。
これは現代のプライムブローカレッジにおけるチャイニーズ・ウォール(情報隔壁)のダイナミクスの典型的な例だ。一方でバークレイズはQRTに執行、資金調達、証券貸出サービスを提供し、数億ドルの収益を生み出している。他方でQRTは同時にバークレイズ自身の株に対して方向性のある空売りベットを行っている。この緊張関係は、プライムブローカレッジ関係のアームズ・レングス(距離を置いた)性質を浮き彫りにしている。つまり、たとえファンドが銀行自身の株に賭けていたとしても、銀行はファンドの取引にサービスを提供するという性質だ。
バークレイズとQRTの関係は、プライムブローカレッジがどのように進化しているかを示すケーススタディである。単一のクオンツヘッジファンドが、大手銀行のランキング上昇を促進する一方で、同時にそのカウンターパーティの株に賭けることができる。QRTにとって、この関係は、6.2兆円の資産を運用するための戦略を実行するために必要な執行、レバレッジ、証券貸出のインフラへのアクセスを提供する。バークレイズにとって、この関係は、中位からプライムブローカレッジ収入のトップ5の一角へと上昇するための手段となった。これは、同行自身の株に数百億円を賭ける顧客にサービスを提供することを必要とした成果である。