しかしここ数か月で大きく改善し、最新の報告では次の水準に達したとされる。
業界では、90%前後に到達するとラインが安定し、本格的な量産へ移行できる状態と見なされることが多い。
AppleがMacBook Proで採用するとみられるOLEDは、スマートフォン向けよりも製造の難易度が高い。
理由のひとつはパネルサイズの大きさだ。今回のディスプレイは14インチと16インチになると予想されており、大きなガラス基板から切り出した際にも均一な輝度や色、寿命を維持する必要がある。
さらに、ノートPC向けOLEDでは**高輝度や長寿命を実現するための複雑な構造(タンデム/ツインスタックOLED)**が使われると見られており、製造工程が増えるため歩留まりの確保が難しくなる。
このため、iPhoneやApple Watchに使われているOLEDよりも、ノートPC用の量産には時間がかかってきた。
サムスンが構築したGen 8.6 OLEDラインは、スマートフォンではなくノートPCやタブレットなどのIT機器向けパネルを効率よく作るための生産設備だ。
この世代では、より大きな「マザーガラス(母材)」を使用できるため、1枚の基板から複数のノートPC用ディスプレイを切り出せる。歩留まりが安定すれば、コストや生産効率の面で大きなメリットがある。
報告されている進捗は次の通り。
この90%のラインを超えたことで、商業的な量産が現実的になったとみられている。
業界情報によれば、サムスンディスプレイは2026年6月ごろからノートPC用OLEDパネルの出荷を開始する可能性がある。
年間供給量は約200万枚規模になるとの見方もあり、これはAppleの初期OLED MacBook Proの需要を想定した数量とされる。
その後、サプライチェーン下流ではFoxconn(鴻海)などで2026年第3四半期に組み立てが進み、2026年後半の製品発表につながる可能性が指摘されている。
現時点では、AppleのOLEDノート向けパネル供給でサムスンディスプレイが先行しているとみられる。
Gen 8.6ラインをいち早く立ち上げたことから、競合のBOEやLGディスプレイよりも量産体制が進んでおり、初期世代のMacBook Pro OLEDパネルを単独で供給する可能性も指摘されている。
今回の歩留まり90%超という数字は、Appleにとっても大きな意味を持つ。ディスプレイは新技術製品の量産で最もリスクの高い部分のひとつだからだ。
パネル生産が安定したことで、Appleが長年準備してきたとされるOLED MacBook Pro世代は、サプライチェーンの面ではほぼ現実的な段階に近づいている。
Apple自身はまだOLED MacBook Proの計画を公式発表していないが、ディスプレイ製造の進展を見る限り、次世代MacBookの大きな技術転換が近づいている可能性は高そうだ。