しかし、この増加は急激な価格上昇ではなく、主に次の要因によるものだ。
通信インフラ機器ではよくあることだが、量産拡大とコモディティ化が進むほど単価は下がりやすいため、出荷台数の伸びほど売上が伸びない傾向がある。
CPE出荷回復の最大の構造要因は、世界的な光アクセスの高速化だ。
この光アクセス高度化は、CPE需要を次のように直接押し上げる。
こうしたネットワーク更新が、2026年前後のCPE出荷増の重要な背景となっている。
需要が回復しても、CPEの平均販売価格(ASP)は上がりにくい。主な理由は構造的なものだ。
1. ハードウェアのコモディティ化
家庭用ルーターやONTは仕様が標準化されており、ベンダー間の差別化が難しい。
その結果、供給コストが下がりやすく、価格上昇の余地が小さい市場構造が続いている。
しかし、世界市場が回復しても台湾企業の出荷が必ずしも増えるとは限らない。理由は主に次の3つだ。
製造コストと供給距離
通信事業者は巨大な数量を低価格で調達するため、製造拠点の近さや部品調達コストが重要になる。
この結果、世界の出荷が増えても、地域ごとに供給エコシステムが異なれば特定企業のシェアが下がるという現象が起き得る。
2026年のブロードバンドCPE市場は、典型的な通信インフラサイクルの回復局面にある。
今後、10Gbps級アクセスやFTTRなどの展開が広がれば、CPEの出荷台数はさらに増える可能性が高い。ただし、最終的な収益性やベンダーのシェアは、サプライチェーンの位置取りとコスト競争力に大きく左右されるだろう。