レッドブルの「Max vs 100」は、F1ワールドチャンピオンのマックス・フェルスタッペンが、シルバーストーンで100人のドライバーを相手に挑む一度限りのライブ・カートイベントだ。2026年9月16日、フェルスタッペンは101台のグリッド最後尾からスタートし、制限時間が尽きる前に前方の100台全員を追い抜くことを目指す。
1
4
5
F1では前方からレースを展開することの多いフェルスタッペンが、今回は大量の交通をかき分ける側に回る。異例の台数に対応するため、コースはフランス人レーサーでカート設計者、ユース・カート世界王者でもあるダビッド・テリエンが専用に設計した。
1
5
100台抜きが難しい理由
これは、観客向けのセレモニー走行ではない。50台を使ったテストでも、許された時間内にコースを攻略すること自体が難しかったという。テリエンとともにレイアウトを試した、iRacing世界王者2度のセバスチャン・ジョブは、100台を抜くのは「極めて難しい」とし、フェルスタッペンには「相当な仕事が待っている」と語った。
5
難しさは単純な最高速度だけでは決まらない。車両が密集するなかで安全に抜ける場所を見極め、前方の車群が逃げていく展開を防ぎながら、次々と変化する交通状況を予測しなければならない。
5
フェルスタッペン本人は、持ち前のユーモアを交えてこの難題について語っている。全車を抜き切りたいとしつつ、できなければ「後ろで座って、カオスが展開するのを見ているよ(just sit back and watch the carnage unfold)」と話した。
6
カートに戻るフェルスタッペン
カートはフェルスタッペンのレーシングキャリアの原点だ。4歳でカートを始め、ジュニアカテゴリーを経て、17歳でトロロッソからF1デビューを果たした。
5
本人は、スタートや防御、オーバーテイクといった技術の土台をカートで身につけたと説明している。カートのグリップ感や接近戦には豊富な経験がある一方、100台規模の車群を相手にする状況は、通常のF1ではほとんど経験しないものだ。
1
5
だからこそ、このイベントはフェルスタッペンがレースを学んだ原点に戻りながら、かつてない規模のリカバリードライブに挑む企画となる。前方のポジションを守るのではなく、フィールド全体の後ろから追い上げる形式だ。
1
フェルスタッペンと競うのは誰か
レッドブルによると、100人の参加者にはアスリート、ゲーム・ストリーミング界の人物、SNSクリエイター、各界の著名人、サプライズゲスト、そして世界各地から招待されたファンが含まれる。現時点で確認されている参加者は次の通り。
1
5
- ウルトラランナーのアルダ・サーチ
- バスケットボールのシュートコーチ、クリス・「リーサルシューター」・マシューズ
- フリースタイル・マウンテンバイカーのマット・ジョーンズ
- ストリーマーのTheGrefg、Caedrel、TheDonato
この顔ぶれからも分かるように、「Max vs 100」はプロのカートレースというより、モータースポーツと大規模なライブエンターテインメントを組み合わせた企画だ。
1
視聴方法は?
イベントは2026年9月16日、地域によって利用状況が異なる可能性はあるものの、**ESPN on Disney+**を通じて世界向けにライブ配信される予定だ。
1
米国では、ESPN Unlimitedの契約者がESPNアプリでもライブ視聴できる。ESPN2では同日、遅れて録画放送が行われる。
1
会場に観客は入れないため、レースを追うにはライブ配信が基本的な手段となる。
3
配信で見られる特別演出
プレゼンターは英国のコメディアン、モー・ギリガンが務め、レース分析や実況とともに進行する。Whisperが制作する中継では、ゲームを思わせるグラフィック、映画的なドローン映像、リアルタイムのレースデータ、画面上の分析情報を組み合わせ、混雑する車群の動きやフェルスタッペンの追い抜きを分かりやすく見せる構成になる。
1
さらにフェルスタッペンは、レース中にライバルと直接コミュニケーションを取ることができる。チーム無線を介して交信するのが一般的なF1中継とは異なり、ドライバー同士のやり取りをより近い距離で楽しめる点も、このイベントならではの要素だ。
1
注目すべき問いは、フェルスタッペンが個々のカートより速いかどうかではない。世界王者であっても、専用コース上で100人分の動きを読み、追い抜き、管理しながら、時間内に全員を処理できるのか――そこが「Max vs 100」の核心になる。