また、INGのクリス・ターナー氏は別の分析で、仮に日米協調介入が実現した場合、ドル円は 3ビッグフィギュアから5ビッグフィギュア(約3円から5円) も急落し、短期のボラティリティが急上昇(スパイク)する可能性があると試算している 。
ドル円の短期的な方向性は、以下の2つのイベントにかかっている。
1. 日本銀行 6月16日 金融政策決定会合
市場は、6月の日銀会合で約3分の2の確率で利上げが行われると見ている 。この結果は、円にとってまさに「オール・オア・ナッシング」だ。もし日銀が利上げに踏み切れば、日本の金利上昇がドル円の上値を抑え、介入の必要性は薄れる。しかし、もし据え置きやハト派的な(金融緩和に積極的な)指針が示されれば、ドル円は160円を試し、おそらく突破するだろう。その場合、INGが警告する介入シナリオが現実味を帯びてくる
。
2. 米国の経済指標とFRBの政策軌道
第2のカタリストは、米連邦準備制度理事会(FRB)と日銀の金融政策の相対的なペースだ。弱含む米国の経済指標やFRBの緩和期待はドル円を押し下げる方向に働く一方で、根強い米国の金利優位性がドルを下支えしている 。この綱引きの結果が、ドル円がさらに上昇するのか、あるいは持続的な反転を始めるのかを決める。持続的な円高ドル安のトレンドには、日本の介入だけでなく、米国の金利見通しの変化や世界的なエネルギー価格の反転も必要になるだろう
。
2026年末のドル円相場に関するアナリストの見解は、約18円もの差があり、日銀の金融正常化のペースやドルの軌道について深い意見の相違があることを示している。
今後数週間のリスクと機会を定義するいくつかの節目を押さえておく必要がある。
介入の実効性は依然として大きな不確定要素だ。INGは、日本単独または米連邦準備銀行が代理人として行う介入の効果は「限定的かつ短期的」だろうと指摘している。米財務省の依頼によるFRBの「自己勘定」での介入を含む、完全な日米協調介入が実現すれば、より持続的な効果が期待できるが、現状ではその可能性は低いと見られている 。
2つのカタリストのいずれかが方向性を決定づけるまでは、政策と投機筋のポジションが激しく衝突するこのゾーンで、ドル円の不安定な値動きが続く可能性が高い。
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