しかし、ヴァンデナミール氏によれば、その資金の多くは製造施設(ファブ)への投資に向けられていた。これは供給の安全保障には役立つものの、革新的なチップ設計企業を生み出す仕組みは十分ではなかったという。
そのため、次の政策フェーズでは
といった領域への支援を強化すべきだと提言している。
もっとも、欧州がゼロから始めるわけではない。
つまり欧州は、
といった基盤をすでに持っており、そこにAIチップ設計企業の層を加えることができれば、半導体エコシステムは大きく強化される可能性がある。
もちろん、設計だけでは半導体は完成しない。最終的には量産できる製造能力が必要になる。
欧州ではその面でも投資が進んでいる。代表的なのが、台湾の半導体大手TSMCがドイツ・ドレスデンに建設している半導体工場だ。これはTSMCとBosch、Infineon、NXPによる合弁会社ESMCが運営する計画で、数十億ユーロ規模の公的支援も受けている。
この工場は主に自動車や産業向け半導体を対象とする見込みだが、欧州にとっては地域内での製造アクセスを強化する重要な基盤になる。
AIチップ企業を増やすうえで、もう一つの大きな障壁が設計ツールのコストだ。
半導体設計にはEDA(電子設計自動化)ソフトウェアなど非常に高価なツールが必要で、スタートアップにとっては参入障壁になりやすい。
この問題を解決するため、EUは**European Chips Design Platform(欧州チップ設計プラットフォーム)**を立ち上げた。これはクラウドベースの環境で、スタートアップや中小企業、研究機関が設計ツールやトレーニング、資金支援へアクセスできる仕組みだ。
この取り組みにより、若い企業でも世界レベルの設計ツールを使ってチップ開発に挑戦できる環境が整いつつある。
現時点で見えている欧州の半導体戦略は、次の3つの柱で構成される。
しかし、ヴァンデナミール氏が強調するように、まだ欠けているピースがある。それが世界市場で戦えるAIチップ設計企業だ。
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