この資金は、企業向けのクラウド・サステナビリティ分析プラットフォームの拡張と大規模導入の支援に使われます。
Greenpixieは、企業が利用するクラウドインフラの環境影響を「使用量ベース」で測定するデータプラットフォームを提供しています。対象は Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud などのハイパースケールクラウドです。
同社のソフトウェアは、クラウドのワークロードごとに以下の指標を算出します。
これらのデータはクラウドの利用コストと同じダッシュボード上で確認でき、IT部門や財務部門がインフラの運用判断を行う際に コストと環境負荷を同時に評価できる ようになります。
Greenpixieの特徴は、クラウドコスト管理の考え方である FinOps と、ITの環境負荷を削減する運用手法 GreenOps を結びつけている点です。
このアプローチにより企業は、例えば次のような改善が可能になります。
結果として、クラウド支出と環境負荷の両方を削減できる というわけです。
今回のプレシリーズAラウンドは、欧州の再生可能エネルギー企業VERBUND AGのベンチャー投資部門 VERBUND X Ventures が主導しました。
参加投資家は以下の通りです。
調達した資金は、企業向けクラウド分析機能の拡張や導入拡大に使われ、AI利用の増加によって拡大する ITインフラの無駄なエネルギー消費とコストの削減 を支援します。
AIの急速な普及により、データセンターの電力需要は急激に増加しています。
調査会社ガートナーによると、AI関連のデータセンター電力消費は 今後2年間で最大160%増加 する可能性があります。また 2027年までにAI向けデータセンターの約40%が電力供給の制約に直面する可能性 があると予測されています。
この状況により、企業は次のような新しい課題に直面しています。
そのため、サステナビリティ指標は年次レポートのためのデータではなく、日々のクラウド運用の意思決定に組み込まれる指標へと変わりつつあります。
Greenpixieの技術はすでに Fortune 1000企業 に導入されており、その中には決済大手 Mastercard も含まれます。
企業はこのプラットフォームを使って、アプリケーションやAIワークロードがどの程度の電力・排出量・水使用を生んでいるのかを分析します。これにより、エンジニアリング、財務、サステナビリティ部門が共同でインフラの最適化を進められるようになります。
また、ビジネス価値を生まない不要なクラウド計算を特定し停止することで、コスト削減と排出削減を同時に実現するケースもあります。
AIの普及によって、企業のコンピューティング需要は今後も拡大し続けると見られています。これに伴い、クラウドインフラのエネルギーコストや環境負荷を可視化するツールは、IT運用の標準機能になりつつあります。
Greenpixieが目指しているのは、サステナビリティを単なる報告指標ではなく、日常のインフラ運用に組み込まれるデータにすることです。
AIの計算コストが増え続ける中で、「どれだけ計算したか」だけでなく 「その計算がどれだけのエネルギーと排出を伴うのか」 を把握することが、企業の新しい競争力になりつつあります。