半導体業界で新たなボトルネックが生まれています。しかも最先端ではなく、**28nmや40nmといった「成熟ノード(mature node)」**です。これらはスマートフォンの電源管理IC、自動車、IoT機器など日常的な電子製品に広く使われるプロセスですが、近年は供給が再びタイトになりつつあります。
背景にあるのは、AIブームによる生産能力の再配分と、従来型チップ需要の回復、さらに地政学的なサプライチェーン再編です。その結果、一部の注文は中国のファウンドリー、特に**SMIC(中芯国際集成電路製造)**へと流れ始めています。![]()
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なぜ成熟ノードの供給が逼迫しているのか
今回の問題は「半導体全体が不足している」というより、生産能力の使われ方が変わったことにあります。
まず最大の要因はAIインフラの急拡大です。AIサーバー向けのGPU、AIアクセラレータ、そしてそれに不可欠な**HBM(高帯域幅メモリ)**は利益率が高いため、ファウンドリー各社はこれらの生産を優先する傾向があります。![]()
結果として、同じ工場の設備やラインがAI関連製品へ振り向けられ、成熟ノード向けの余力が減少しています。
一方で、成熟ノードの需要そのものは弱いわけではありません。むしろ複数の分野で回復が同時に起きています。主な用途は次の通りです。
- 民生電子(スマートフォン、家電など)
- 電気自動車や車載電子
- 産業機器やロボット
- IoTデバイス
こうした分野で需要が重なると、成熟ノードの供給基盤には大きな負荷がかかります。
市場調査会社TrendForceは、世界の主要ファウンドリーにおける8インチ工場の平均稼働率が2026年には約90%に近づき、2027年前半でも80%以上を維持する可能性があると予測しています。![]()
AIブームで中国ファウンドリーへ注文が移動
海外ファウンドリーがAI向け最先端チップに集中する中で、成熟ノードを必要とする顧客は別の生産先を探す必要が出てきました。
その受け皿になっているのが中国のファウンドリーです。
SMICの経営陣は、AI需要の急増が電源管理ICなど成熟プロセス製品の供給を逼迫させ、結果として中国ファウンドリーへの注文増加につながっていると説明しています。![]()
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