DiffuSpaceの「Clover-35B-A3B-Preview」は、Qwen3.6-35B-A3Bをベースにしたオープンウェイトのテキスト専用拡散言語モデルです。一般的なチャットだけでなく、コーディングやツールを使うエージェントを主な用途に掲げています。開発元などが公表した評価には目を引く数字がありますが、それだけで長い作業を安定して完遂できると結論づけることはできません。
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文章を「ブロック単位」で生成
一般的な自己回帰型モデルは、文章を左から右へ、基本的に1トークンずつ生成します。Cloverは「ブロック拡散」を採用し、文章をブロック単位で生成。各ブロックの中では双方向の注意機構を使いながら、それより前に確定した文章(因果的なプレフィックス)は保ちます。
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モデルの説明によると、Cloverは総パラメーター数が350億、トークンごとのアクティブパラメーター数が約30億のMoE(混合エキスパート)モデルです。思考モードに対応し、コンテキスト長は約12万8,000トークンとされています。
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ブロック拡散の仕組みには、学習されたGated DeltaNetのパラメーターも含まれると説明されています。一方、Gated DeltaNetの具体的な再構成や、ブロックサイズを学習可能に調整する仕組みが、性能にどう寄与するかを判断できる情報は十分ではありません。
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エージェント向けの評価、何が分かる?
DiffuSpaceは、Cloverをエージェント型のコーディングやツール利用向けに位置づけています。公表された評価には、ソフトウェアの修正、ターミナル操作、関数呼び出しに関するベンチマークが含まれます。また、ウェブエージェントの評価や、登録手続き、請求書処理、情報検索などのデモも報じられています。
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ただし、フロントエンド生成の実力を判断できる評価結果は、利用できる情報からは確認できません。また、ブロック拡散そのものが、形式の崩れたツール呼び出しや、失敗した手順の繰り返しを防ぐと示されたわけでもありません。そうした信頼性は、実際のタスクを使った検証が必要です。生成速度やベンチマークの点数だけでは分かりません。
公表されたベンチマーク結果
以下はDiffuSpace、または同社の結果を紹介する記事が報告したスコアです。独立した検証済みの結果としてではなく、開発元側の公表値として見る必要があります。
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| 評価 |
公表スコア |
| SWE-bench Verified |
73.6 |
| Terminal-Bench 2.1 |
51.7 |
| τ³ Overall |
65.3 |
| BFCL-v4 |
67.9 |
利用できる情報だけでは、Qwen3.6-35B-A3Bや同規模の自己回帰型モデルに対する正確な優位幅を確かめられません。モデルの設定や評価条件がそろっているか不明な比較は、慎重に読むのがよさそうです。
速度とウェブエージェント評価
モデル比較ページは、DiffuSpaceの測定値として、NVIDIA GB300を1基使った場合に最大毎秒680トークンを報告しています。
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別のWindTunnelウェブエージェント評価では、49のタスクをそれぞれ3回試行。Cloverの実行時間中央値は1.52秒で、JevとMercury 2.5の組み合わせは3.21秒だったとされています。試行単位の成功率は、それぞれ98.6%と95.9%です。これは特定の評価での報告値であり、あらゆるブラウザー上の作業で同様に動くことを保証するものではありません。
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一方、単一のH200でのCloverの速度や、DFlash2の投機的デコードとの直接比較を裏づける情報は確認できません。コミュニティによるZeroGPUデモは公開されていますが、デモがあること自体は性能ベンチマークとは別です。
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重みの公開状況とリリース時期
公式のHugging Faceモデルリポジトリで重みが公開され、ローカル推論向けの公式GGUFリポジトリも案内されています。
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6 PC WatchはApache 2.0ライセンスと報じており、Transformers向け推論コードは利用可能としています。SGLangとllama.cppの対応コードや導入手順については、今後公開予定と説明されています。
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公開日には報道間で違いがあります。PC Watchは中国時間の10月28日、DiffuSpaceのHugging Face上の告知記事は10月30日としています。
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17 また、コミュニティ運営のZeroGPUチャットデモは確認できますが、予定されているエージェント用ハーネスやデスクトップ向けコーディングクライアントの詳細は、利用できる情報では確認できません。
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いま言えること
Cloverは、ブロック拡散をコーディングやツール利用のエージェントに応用する、注目すべきオープンウェイトモデルです。アーキテクチャの違いに加え、公表されたベンチマークや速度の結果は、今後の検証に値します。ただし、現時点ではそれらの主張を独立して確認できておらず、長い作業での信頼性も確立されていません。
外部評価では、ツール呼び出しの形式が正しいか、エラー後に立て直せるか、長い一連の作業を最後まで終えられるか、そして最初から最後までにかかる時間はどうか、といった点を確かめる必要があります。トークン生成速度だけで実用性を判断するのは早計です。