主な機能は以下の通り。
特に重視されているのがソーシャル機能だ。ユーザーは作品についてコメントしたり、写真やGIFを投稿したりできる。さらに、エピソードごとの評価、絵文字によるリアクション、お気に入りキャラクターへの投票にも対応する。
ストリーミングサービスの視聴リストは、作品を管理するには便利だが、各話を見終えたときの感想や考察、ジョーク、ファン同士の盛り上がりまでは記録しにくい。Bingersは、そうした「見た記録の先にある会話」まで含めて再現しようとしている。
TV Timeの終了前に、サービスのGDPR準拠データエクスポート機能を使ってアーカイブを保存していたユーザーであれば、Bingersにデータをインポートできる。これにより、対応する視聴履歴やライブラリー情報を、最初から手作業で登録し直さずに引き継げる。
この機能が重要なのは、TV Timeの終了によって、長年蓄積してきた視聴履歴や評価、コミュニティ上の活動を失う可能性があったためだ。終了に関する報道では、サービス終了後に個人データが削除され、復旧手段も用意されないと伝えられていた。
ただし、Bingersのインポート機能は、すべてのユーザーが過去のデータを取り戻せる仕組みではない。終了前にアーカイブを保存していなかった場合、Bingers経由で以前のTV Timeライブラリーを復元できない可能性がある。
Bingersは、TV Timeの機能を再現するだけでなく、運営上の課題への対応も試みている。ピント氏によれば、ユーザーコミュニティの拡大に伴ってサーバー運用費が大きな負担となり、広告やプレミアムサブスクリプションを導入しても、その費用の10%未満しか賄えなかったという。
初期段階の資金面でも、一般的な広告モデルやサブスクリプションを前提にするのではなく、残るサーバー費用をユーザーからの任意の直接支援で賄う構想が示されていた。コミュニティを軸にした将来の事業アイデアも検討されているが、具体的な製品や収益計画として確定したものではない。
保存済みアーカイブのインポート、視聴ライブラリー、作品の発見、エピソード単位のコミュニケーションという、移行時に重要になりやすい機能はそろっている。 一方で、TV Timeにあったすべての機能や、すべてのユーザーデータが戻ることを意味するわけではない。データ移行は事前にエクスポートしていたかどうかに左右され、Bingersの長期的な収益基盤やコミュニティ規模も、これから形成される段階にある。
それでも、TV TimeユーザーにとってBingersの最大の魅力は「続きから始められる」点だ。対応する視聴データを持ち込めるだけでなく、作品を記録する行為と、作品について語り合う場を同時に取り戻そうとしている。