ビットコイン(BTC)が夏場の安値から約40%反発した後も、暗号資産分析プラットフォーム「Into The Cryptoverse」創設者のベンジャミン・コーウェン氏は慎重な見方を崩していない。同氏の試算では、サイクル安値がまだ先にある確率は65%、すでに底を打った確率は35%だ。
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重要なのは、これは「必ず下がる」という断定ではない点だ。過去の値動きとの類似性から下値更新を基本シナリオに置きつつも、すでに安値形成を終えた可能性も3分の1程度あるという、確率に基づく評価である。
反発しただけでは「底打ち」と言えない理由
コーウェン氏は、今回の反発だけで新たな上昇相場への転換を確認することはできないとみる。2018年と2022年にも、弱気相場の途中でビットコインは大きく戻したが、その後に年後半の安値を更新した例があったためだ。
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そのため、夏場の安値から約40%戻したことは強い逆張り的な反発を示す一方、下落局面の終了を決定づける材料ではない、というのが同氏の立場だ。
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焦点は「実現価格」約5万3,000ドル
下値を考えるうえで、同氏が主要な目安としているのが**約5万3,000ドルの実現価格(realized price)**だ。実現価格は、現在保有されているコインが最後に移動した時点の価格を基に推計する、ネットワーク全体の平均取得コストに近いオンチェーン指標と説明される。
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コーウェン氏によると、過去の弱気相場の安値はこの水準を下回って形成されてきた。2026年の下落局面では価格が実現価格に近づいたものの、明確に試すには至らなかったことから、調整が未完了の可能性を指摘している。
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もっとも、5万3,000ドルは「必ず到達する価格目標」ではない。また、そこを割らなければ回復できないという意味でもない。あくまで同氏の過去サイクル分析に照らした場合、そこまでの下落が起きれば今回も従来の弱気相場に近い形になる、という基準だ。実現価格を大きく上回る水準で安値を確定させるなら、その分析モデルには疑問が生じる。
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なぜ2026年10月を底値候補とみるのか
時間軸では、コーウェン氏は半減期と連動するとされるビットコインの4年サイクル、および米中間選挙年の値動きのパターンを重視する。研究では、2026年10月を最も有力な底値形成の時期として挙げている。これは、同氏がサイクル上の高値と位置づける2025年10月からおよそ1年後に当たる。
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ただし、受け止め方としては「10月の特定の日に底を打つ」という予言ではなく、2026年第4四半期を中心とする下値警戒期間と考えるのが適切だ。関連して引用される過去サイクルのタイミング分析にはより幅のある期間もあり、時期が重なること自体は追加の文脈であって、安値更新を証明する独立した根拠ではない。
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200週線と50週線、役割の違い
200週移動平均線:いったん取り戻した長期のストレス指標
ビットコインは初夏の安値局面で約5万7,000ドル近辺の200週単純移動平均線を下回った後、反発局面で同線を回復した。コーウェン氏はこれを前向きな動きと評価する一方、弱気相場終了の十分条件とはみていない。7月のメモでは、最終安値を付ける前にも200週線の割り込みと回復が起き得るとした。
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つまり、200週線の回復は目先の技術的な緊張を和らげる材料ではあるが、サイクル全体の下落局面が終わったかどうかを単独で決めるものではない。
50週移動平均線:強気転換を見極める近い判断基準
より直近の相場局面を測る基準として、同氏が重視するのが50週移動平均線だ。コーウェン氏は現在の局面を、夏場の安値から40%超反発した後に50週線付近で勢いを失った2018年と比較している。
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直近の報道では、ビットコインは50週線を明確に上抜けたというより、その近辺で推移しているとされる。同氏が求めるのは一時的な上抜けや日中の値動きではなく、50週線を上回る状態で週足終値を継続的に確保することだ。これが実現すれば、同氏の弱気寄りの見方は大きく弱まる。
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強気シナリオへ傾く条件は2つ
コーウェン氏は、基本シナリオを崩す材料として主に次の2点を挙げている。
10月を下値更新なしで通過すること
想定している季節性・サイクル要因による弱さが現れなければ、確率を強気側へ移すべきだとしている。
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50週移動平均線の上で持続的な強さを示すこと
同線を明確に回復して維持できれば、単なる反発から、より信頼性の高いトレンド転換への移行を示す可能性がある。
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したがって、追加の上昇だけでは決定打にならない。同氏の想定する第4四半期の弱さが起きず、同時に50週線を軸とする市場構造の改善が確認されることが、より強い強気シグナルになる。
2027年に向けては強気化の余地も
コーウェン氏は、想定した歴史的パターンが明確に崩れた場合、特に予想する弱い時期を安値更新なしで通過し、より強いトレンド構造が持続した場合には、弱気バイアスを変更する考えを示している。
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また、サイクル安値と結び付ける時期を過ぎ、回復局面に入り得るとして、2027年に向けてはより建設的な見方に転じる意向も述べている。ただし、これも同氏のサイクル分析から導かれた見立てであり、将来のリターンを保証するものではない。
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現時点での整理
コーウェン氏の見方は、条件付きの2つの道筋として整理できる。
- 弱気シナリオ: 第4四半期に安値を更新し、実現価格の約5万3,000ドル近辺を試す、または下回る展開。
- 弱気見通しが崩れるシナリオ: 10月を安値更新なしで通過し、50週移動平均線の上で説得力のある定着を示す展開。
現段階では、同氏は前者に65%の確率を置く。ただし、その仮説には明確な反証条件がある。想定される弱さが現れなければ、根拠に従って強気側へ確率を移すべきだ、というのが同氏の立場だ。
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本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。暗号資産は価格変動が大きく、投資判断はご自身の調査とリスク許容度に基づいて行ってください。