この変更はMSRPの公式改定ではありません。あくまで、GPUチップやメモリを含む供給キットのコストが上がったという位置付けです。
しかし、グラフィックカードは以下のような流れで市場に出るため、最終価格に影響が及びます。
GPUの仕入れ価格が300ドル上がれば、完成品の価格はさらに大きく押し上げられる可能性があります。
今回の価格圧力の中心にあるのが、RTX 50シリーズのフラッグシップで採用されている**次世代VRAM「GDDR7」**です。
サプライチェーンの情報では次のような状況が報告されています。
これまでNvidiaが一部コストを吸収していたものの、メモリ価格の上昇が続いたため、パートナー側へ負担を移したとされています。
さらに状況を複雑にしているのが、AIデータセンター向けの巨大なメモリ需要です。AIトレーニングや推論向けアクセラレーターも大量の高帯域メモリを必要とするため、GPU向けVRAMの供給を圧迫しています。
RTX 5090はCES 2025で発表され、2025年1月30日に発売されました。
公式MSRPは1,999ドルですが、2026年の市場では大きく乖離しています。
報告されている例では:
MSRPと比較すると次の倍率になります。
実際には、このコスト増の前から供給不足と需要の高さにより、RTX 5090はすでにMSRPを大きく上回る価格で取引されていました。
GPUの価格は単純にメーカーが決めるわけではありません。サプライチェーンの各段階で価格が積み上がります。
一般的な流れは次の通りです。
そのため、GPUコストが300ドル上がると、最終製品はそれ以上に値上がりする可能性があります。
また小売店は在庫や需要に応じて価格を調整するため、人気モデルほど価格が跳ね上がりやすい傾向があります。
もしGDDR7不足が続けば、RTX 5090の価格問題は単なる一製品の問題ではなく、ハイエンドGPU市場全体の構造変化を示している可能性があります。
現在、いくつかのトレンドが見え始めています。
ゲームGPUとAI需要の競合
高性能メモリや計算資源は、ゲーミングGPUだけでなくAIサーバーでも大量に使われるため、同じ供給を巡って競争が起きています。
MSRPが実質的な参考価格になる可能性
供給不足が続くと、発売時のMSRPは象徴的な数字になり、実売価格は長期間それを大きく上回るケースが増える可能性があります。
RTX 50シリーズ全体への波及
VRAMコストの上昇は複数メーカーのGPUカード価格に影響を与えているとされ、RTX 50シリーズの他モデルにも価格圧力が広がる可能性があります。
RTX 5090の価格高騰は、単純な値上げというよりサプライチェーンの圧力が積み重なった結果と考えられます。
これらが重なり、MSRP1,999ドルのGPUが4,000〜5,000ドルに迫る市場価格になっています。
GDDR7供給が改善しない限り、今後のフラッグシップGPUは「4,000ドル級」が新しい標準価格帯になる可能性もあります。