この技術の鍵となるのが、**リポソーム封入(liposomal encapsulation)**と呼ばれる方法です。
酵素は通常、胃酸によってすぐに分解されてしまいます。そこでAlcolaseは、酵素を脂質ベースの微小カプセル(リポソーム)で包み込むことで、胃の強い酸性環境から保護します。
アルコール代謝は通常、次の2段階で行われます。
その結果、いわゆるアルコールフラッシング反応(Asian flush)と呼ばれる症状が起こります。
主な症状には次のようなものがあります。
研究によると、東アジア人の約35〜45%がALDH2欠損の遺伝子を持つと推定されており、日本・中国・韓国などでは特に一般的な体質です 。実際に飲酒時の紅潮反応を示す人は約36%にのぼると報告されています
。
アルコール不耐症は単なる体質の問題ではなく、医学的にも重要視されています。
Alcolaseが主に想定しているのは、ALDH2欠損を持つ人々です。
開発中の酵素システムは、こうした人々が感じる
といった症状の軽減や、体内の有害代謝物への曝露を減らすことを目標としています。
技術開発を進めるため、Alcolaseは約150万ユーロの初期資金を調達しています。
主な投資家は次の通りです。
Alcolaseは今回の資金を使い、次のような開発を進める計画です。
Alcolaseは、飲酒後の症状を和らげる従来型サプリとは異なり、アルコール代謝そのものを早い段階でコントロールするという新しいカテゴリに属します。
ただし、このアプローチが健康リスクをどこまで軽減できるかは、臨床研究による検証が今後の重要なポイントになります。
それでも、ALDH2欠損という遺伝的体質が世界で数億人に影響していることを考えると、酵素ベースの技術が飲酒と健康の関係を大きく変える可能性があるとして、研究者や投資家の関心が高まりつつあります。
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