W4 Gamesは2026年8月25日、Tencentが主導する1,800万ドルのシリーズB資金調達を発表した。これに加え、Tencentとは複数年の戦略的パートナーシップも締結。オープンソースのゲームエンジン「Godot」をめぐる企業向け事業を拡大し、アジアでのエコシステム成長を後押しする。今回のラウンドにより、W4 Gamesの公表済み累計調達額は3,300万ドルとなった。 3
Tencentとの提携でGodotのアジア展開へ
今回の合意は出資だけにとどまらない。TencentとW4 Gamesは、Godotをアジアのスタジオや開発者に広げるため、ローカライズ、マーケティングや販売促進、エコシステム支援、普及活動、市場開拓などに取り組むとしている。 1 3
W4 Gamesは、Godotを利用する企業向けに技術、サポート、各種サービスを提供する企業だ。今回のTencentによる出資で、TencentがGodotそのものを所有・管理するわけではない。W4 GamesのFAQによれば、Godotはコミュニティーによって開発され、貢献者全体が共同で所有するプロジェクトであり、単一の企業が所有したり支配したりするものではない。 17
調達した1,800万ドルの使い道
W4 Gamesが示した主な資金の用途は次の3点だ。
- 国際チームを50%拡大:発表で示されたのは人員の50%増であり、規模を倍増させる計画ではない。 3
- 企業向け製品・サービスの開発を加速:商用スタジオがGodotを本番環境で利用するための技術、サポート、企業向けソリューションを強化する。 1 3
- 商用開発者からの需要に対応:Godotを採用する企業が増えるなか、より多くの事業者を支援できる体制を整える。 3
Tencentのアジアにおける事業基盤と、W4 Gamesの企業向け技術・サポートを組み合わせることで、Godotを商用規模で導入しやすくする狙いだ。
Steamと高収益タイトルに見るGodotの伸び
W4 Gamesは、Godotの商用利用が広がっていることを示す指標として、2つのデータを挙げている。
1つ目はSteamでのリリース数だ。同社によると、SteamDBのデータをもとにした集計では、Godotで制作されたゲームのSteamリリース数が、2024年と2025年のいずれも前年比で50%超増加した。 3
2つ目は、年間売上が100万ドルを超えるGodot製ゲームの数だ。W4 GamesがGamalyticのデータを分析したところ、この条件に該当するゲームは過去3年間で2本から50本超に増えたという。 3
ただし、この数字はW4 Gamesによる第三者データの分析であり、Godot市場全体を対象にした独立監査済みの推計ではない。Godotの利用状況全体が一様に同じペースで伸びていることを示すものではないが、同社が企業向け支援やアジア展開への投資を正当化する材料としている商用化の流れは読み取れる。
2023年の1,500万ドル調達との違い
W4 Gamesにとって今回の調達は、前回の公表ラウンドを上回る規模となる。同社は2023年12月、OSS CapitalとNaval Ravikant氏が主導する1,500万ドルのシリーズAを発表していた。このラウンドには、GitHubのCEOであるThomas Dohmke氏やOpenSea共同創業者のAlex Atallah氏らも参加した。 15 16
今回のシリーズBは前回より300万ドル大きく、Tencentが主導する点も異なる。さらに、アジアでのGodotエコシステム拡大と企業向け事業の成長を明確に掲げた複数年契約が、資金調達と一体になっている。 3 15
今回の発表が示すのは、W4 GamesがGodot関連の製品だけでなく、より大規模なスタジオがオープンソースのGodotを採用するために必要な人材、地域サポート、商用サービスにも投資を広げていることだ。