これはロシアの総精製能力の**約25%**に相当する。また、これらの施設は合計で
を占めており、国内燃料市場と輸出の両方にとって重要な拠点となっている。
別のロイター集計では、2026年初めからの攻撃で一時的に日量約70万バレルの精製能力が停止したと推定されている。
攻撃の対象となったのは、ロシア国内でも規模の大きい製油所が多い。
モスクワ製油所(ガスプロムネフチ)
モスクワ南東部にあり、首都圏の燃料供給を担う重要施設。2026年5月のドローン攻撃後、操業が停止したと報じられている。
リャザン製油所(ロスネフチ)
モスクワの南東に位置するロシア最大級の製油所。攻撃による火災で原油処理が停止し、首都周辺の燃料供給に影響が出た。
ニジニ・ノヴゴロド — Lukoil NORSI製油所
中央ロシアの主要精製拠点の一つで、今回の攻撃キャンペーンの標的となった施設の一つ。
ヤロスラヴリ — Slavneft‑YANOS製油所
ロシア中部の工業地帯にある大規模製油所で、攻撃後に生産を停止または削減した施設として報告されている。
キリシ — Kinef製油所
サンクトペテルブルク近郊にあるロシア最大級の精製コンプレックス。北西地域の燃料供給とバルト海経由の輸出で重要な役割を担う。
さらに中央ロシア以外でも被害が報告されている。たとえば**ペルミのPermnefteorgsintez製油所(ロシア第7位の規模)**は、ドローン攻撃で主要蒸留装置が損傷し原油処理を停止したとされる。
製油所は原油をガソリン、ディーゼル、ジェット燃料などに加工する拠点だ。そのため精製施設への攻撃は、単なる原油生産よりも広い経済的影響を生む。
主な影響として指摘されているのは次の点だ。
中央ロシアは人口密集地や主要輸送網に燃料を供給すると同時に、輸出拠点ともつながる重要地域であるため、ここへの攻撃は特に影響が大きい。
今回のドローン攻撃は、単なる軍事目標ではなくロシアの戦争経済そのものを狙う戦略の一部とみられている。
報道によれば、2026年1月から5月の間に少なくとも16のロシア製油所が攻撃を受けた。これは前年同期の約2倍の数だ。
ウクライナの狙いとして専門家が挙げるのは次のような点である。
石油・ガス関連税収はロシア連邦予算の重要な柱であり、この分野への攻撃は財政にも間接的な圧力を与えるとみられている。
ただし、報じられている**8300万トンの「影響を受けた能力」**は、必ずしも永久的に失われた能力を意味するわけではない。
製油所は火災の鎮火や設備修理後に段階的に操業を再開することも多く、停止は一時的な場合もある。そのため、この数字は長期的な損失ではなく、攻撃によって一時的に影響を受けた能力と理解する必要がある。
それでも、ウクライナの長距離ドローンがロシアの産業中枢まで到達し、同国の燃料加工システムの大きな部分を一時的に混乱させられることを示した点は、戦争の新しい局面として注目されている。