HonorのMagic9シリーズは、単一のカメラ画素数を競う製品というより、スマートフォンで映像を撮るクリエイター向けの「モバイル映像制作ツール」として打ち出されている。中国・北京での発表は2026年9月28日の予定。Honorはドイツの業務用シネマカメラ企業ARRIとの共同開発による「シネマトリプルカメラシステム」を掲げている。
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ここで区別したいのは、Honorが公式に予告した内容と、発表前報道に基づく仕様だ。映像機能の方向性はかなり明らかになった一方で、全モデルの構成、海外発売、価格は発表会まで確定しない。
核心はARRIを生かした動画撮影
Honorによれば、Magic9シリーズにはARRI Cinema Mode、ARRI LogC3動画パイプライン、ピーキングによるピント確認、フォルスカラー表示を搭載する。また、映画制作向けのショットガンマイク機能と、保持性やカメラワークを補助するプロ向け動画拡張キットも訴求している。
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これらは、スマートフォンの自動処理に任せるだけの動画撮影から一歩踏み込む機能だ。LogC3は、後編集で色を調整しやすいよう映像情報を保持することを狙う対数エンコード方式。ピーキングとフォルスカラーは、ピントや露出を意図的に管理する際に使われるモニタリング機能である。
Honorは、色調の異なる映画風プリセットである11種類のARRI Looksも用意するとしており、リアルタイムでのプレビューと、選択したLookを反映した撮影に対応すると説明する。
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発表前の報道では、色再現のワークフローにARRI Wide Gamut 3も含まれるとされる。ただし、どの機能が各モデルに搭載され、どの録画モードで使えるのかという完全な対応表は、Honorからまだ公開されていない。
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55MPの正方形フロントカメラ、縦横を後から選びやすく
Magic9シリーズには、HonorがAndroid初とする55MPの正方形フォーマット「Agile Eye」フロントカメラが導入される見込みだ。一般的な長方形の撮像エリアとは異なる1:1の正方形センサーにより、より余裕のあるフレーミングを確保するという。
Honorが強調する実用上の利点は、端末を持ち替えずに、撮影した範囲から縦構図・横構図を選びやすいこと。縦型のSNS動画と横型映像の両方を同じセットアップで想定する人には、トリミングやリフレーミングの自由度につながる可能性がある。
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もっとも、正方形の撮像エリアがあらゆる場面で画質を自動的に高めるわけではない。メリットは主に、撮影後を含めた構図の選択肢にある。
なお、Honorのティーザー注記では、このAgile Eyeカメラはシリーズ全機種ではなく、標準モデルのMagic9とMagic9 Pro Maxに搭載予定とされている。
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背面はデュアル2億画素。200mm・500mmの外付けテレコンも
Honorは背面について、ARRIシネマトリプルカメラシステムと「デュアル2億画素」構成を公式に予告している。
3 ティーザーを基にした発表前報道では、注目の2基は次のように伝えられている。
- 2億画素メインカメラ:1/1.28型センサー、F1.57
- 2億画素ペリスコープ望遠カメラ:1/1.4型センサー、F2.6
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特にペリスコープ望遠としては大きなセンサーサイズをうたう。ただし、センサーやレンズの詳細は発売前の情報であり、最終的な製品ページの公開と、どのモデルにこの構成が載るのかの正式確認を待つ必要がある。
さらに異色なのが、オプションのPhotography Master Kitだ。Honorは外付けのテレコンバーターとして、携帯性を重視した200mmと、遠景撮影向けの大型500mmを披露した。200mmアクセサリーの重量は88gとされる。
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スマートフォン単体のデジタルズームだけに頼らないアプローチだが、実際の画質、装着できる機種、販売地域や価格は、発売後の検証を待ちたい。
Magic9 Pro Maxはベネチアで先行披露
Magic9 Pro Maxは、第83回ベネチア国際映画祭で公開された。会場で披露されたのは、モスグリーンの本体と、カメラモジュールに配されたARRIのロゴ。機能だけでなくデザイン面でも、映画撮影との結び付きを前面に出している。
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これは製品のフル発表ではなく先行公開だが、HonorにとってARRIとの関係が単なるフィルターやロゴ表示ではなく、Magic9のイメージング戦略そのものだという姿勢は明確だ。
まだ確認されていないこと
広く流通している情報でも、以下は発表まで保留しておくべきだ。
- チップセット:最上位モデルにはSnapdragon 8 Elite Gen 6 Proを採用するとの報道がある。ただし、Honorの公式ティーザーはモデル別のチップセット構成を明らかにしていない。
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- シリーズの全ラインアップ:何機種を用意し、各機種でどこまで仕様を差別化するのかは未発表。
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- 海外発売と価格:現時点の発表は中国向け。グローバル発表日、販売国・地域、海外での公式価格はいずれも案内されていない。
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まとめ
9月28日の発表を前に、Magic9シリーズの中心コンセプトは見えてきた。ARRIとの共同開発を掲げるクリエイター志向のフラッグシップであり、デュアル2億画素の背面カメラ、動画制作機能、対象モデルの55MP正方形フロントカメラ、200mm/500mmの着脱式テレコンを柱とする。
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この構想が実写でどれほどの優位性につながるかは、最終ハードウェア、ソフトウェアの実装、そして第三者による検証次第だ。現段階で重要な未解決事項は、モデル別の仕様、価格、そして中国以外で発売されるかどうかである。