今後の焦点は、2028年以降を見据えた契約延長に移ります。チームマネージャーのドミニク・セリエス氏は、セアスとの協議を始めたい意向を示しています。一方で、チームと選手の双方に固定された期限はなく、交渉を急がない姿勢です。デカトロン側は、グランツール制覇を含むセアスの大きな目標は、チームを移籍しなくても実現できると考えています。
移籍の噂が一気に広がった最大の理由は、プロ2年目となる2026年の飛躍です。セアスはツール・ド・フランス初出場で総合4位に入り、ツールマレー峠を越える最初の本格山岳ステージでも5位に入りました。厳しい登坂で実績ある争い相手と渡り合ったことで、将来のグランツール総合優勝候補としての評価を高めました。
ツール以前にも、異例の好成績を重ねています。セアスはフレッシュ・ワロンヌを制し、イツリア・バスク・カントリーでは総合優勝を果たしました。同大会ではステージ3勝に加え、ヤングライダー賞、山岳賞、ポイント賞も獲得しています。さらに、ボルタ・ア・アルガルベではステージ優勝、フォーン・アルデシュ・クラシックでも勝利を挙げました。
これらの結果が示したのは、セアスが単一の分野に特化した選手ではないということです。ワンデーレースで勝ち、ステージレースの山岳をこなし、3週間にわたる最高レベルの戦いでも上位に入る総合力が、ライバルチームを引きつけました。
フランス人の若き才能に関心を示したチームとして、UAEチーム・エミレーツXRG、ヴィスマ・リース・ア・バイク、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ピナレロ・Q36.5などが報じられました。ほかにもワールドツアーの複数チームが候補として名前を挙げられており、関心は一つのチームに限られたものではありませんでした。
ただし、各報道の確度は同じではありません。ヴィスマの関心は公の場でも取り上げられた一方、Q36.5ピナレロから高額オファーが提示される可能性も自転車メディアで報じられました。セアス本人は、自分をめぐる報道には事実でないものもあると説明し、報じられた巨額オファーのすべてを認めることは避けています。
確認できる事実は、セアスが2027年についてデカトロンとの契約を履行するという点です。報道されたすべてのオファーや交渉が正式に確認されたわけではありません。
現時点での結論は明快です。ポール・セアスは2027年、デカトロンCMA CGMの選手として走ります。一方、チームが若きエースを2027年末以降も引き留められるかという、より重要な問題は先送りされたままです。