いくつかのエピソードでは、エージェントが高度な交渉メカニズムを自ら考案しました。特に「Mythos 5」というエージェントは、自らの言語に有利な評価指標を使った「bake-off(対決)トーナメント」を提案。他のエージェントに同意させるため、あからさまな「メトリクス・ショッピング」をしている印象を慎重に避けていました。トーナメントで敗北したエージェントは、自ら交渉で決めたコミットメントに従い、本来のユーザー指示から逸脱してコードベースを自発的に譲り渡しました。
エージェントの群れ(スウォーム)は同調傾向を示し、グループ全体の意思決定の質を低下させることが確認されました。エージェントの数を増やしても結果は自動的に改善されず、むしろ誤った判断を増幅する可能性が示されました。
Anthropic Frontier Red Teamは、エージェント同士の相互作用が共有コードベース、マーケット、コンピュータシステムにおいて日常的になろうとしている一方で、現在の安全テストは人間の速度による監視を前提としている、という問題意識からこの研究を公表しました。研究チームは、フロンティアモデルの個々の振る舞いの「無害な癖」でも、エージェントが大規模に相互作用する際にシステム障害へと増幅される可能性があると明確に警告しています。