同作は『Detroit: Become Human』や『Heavy Rain』などのシネマティックなストーリーゲームで知られるQuantic Dreamにとって、初めての本格的なマルチプレイヤー作品でもあった。
スタジオが示した理由は非常にシンプルだ。
「長期的な安定運営に必要な規模のプレイヤーに届かなかった」
というものだった。
MOBAや対戦型ライブサービスゲームは、プレイヤー数が多くないと成立しない。人口が少ないとマッチング時間が長くなり、対戦の質も下がり、さらにプレイヤーが離れていくという悪循環に陥る。
現在のゲーム市場では、すでに人気タイトルが多数存在するため、新作がコミュニティを短期間で大きく拡大できないと生き残るのは非常に難しいと指摘されている。
SteamDBのデータからも状況は明らかだった。
参考として、世界的なMOBA『Dota 2』は同時接続が数十万〜数十万人規模に達することも珍しくない。
100人未満では安定したマッチングすら難しく、オンライン対戦ゲームとしては致命的な状態だった。
Quantic Dreamは、早期アクセス期間中に支払われた費用について希望者に全額返金する方針を示している。
対象には以下が含まれる可能性がある。
具体的な手続きは、公式SNSやコミュニティなどで案内される予定とされている。
ライブサービス型ゲームの早期終了で返金が実施されるケースは珍しくはないが、業界では比較的丁寧な対応と受け止められている。
今回のプロジェクト終了に伴い、Quantic Dreamは**社内の再編(リストラクチャリング)**を行うと説明している。
正式な人数は公表されていないが、報道では労働組合が最大で数十人規模の影響の可能性を指摘している。
スタジオは可能な限りスタッフを他プロジェクトへ配置転換する方針としている。
ファンの最大の関心は、2021年に発表された大型タイトル**『Star Wars Eclipse』**への影響だろう。
これについてQuantic Dreamは、開発は予定通り継続しており影響はないと強調している。
同作はルーカスフィルムゲームズと共同開発されているストーリー重視のアドベンチャーゲームで、スタジオの得意分野に近いプロジェクトとされる。ただし、具体的な発売時期はまだ発表されていない。
『Spellcasters Chronicles』の終了は、ゲーム業界で続くライブサービスゲームの淘汰の流れとも重なる。
近年は多くのオンラインタイトルが、プレイヤー数不足により短期間でサービス終了している。
代表例としては、ソニーのヒーローシューター**『Concord』**があり、発売後すぐにサービス停止となり、最終的には開発スタジオFirewalk Studiosの閉鎖にまで発展した。
同時に、開発費の高騰や市場競争の激化により、ゲーム業界では大規模なレイオフやスタジオ再編が続いている。
『Spellcasters Chronicles』が短期間で終了した最大の理由は、プレイヤー数の不足だった。
最大同時接続は約888人にとどまり、その後は100人未満まで減少。オンライン対戦ゲームとして必要なコミュニティ規模を維持できなかった。
Quantic Dreamは返金対応と社内再編を進めつつ、今後は**『Star Wars Eclipse』などの別プロジェクトにリソースを集中**する方針だ。
この出来事は、現在のゲーム業界において新しいライブサービスゲームを成功させることの難しさを改めて示す事例となっている。