ルーク・ダッシュジュール氏が、共同創業したビットコイン採掘プール「OCEAN」から完全に離脱しました。2026年8月29日付の双方合意により、同氏は会長、最高技術責任者(CTO)、取締役を辞任。OCEANの親会社Mummolin Inc.は、同氏が保有していた株式をすべて買い戻しました。これにより、ダッシュジュール氏はOCEANでの経営上の立場だけでなく、所有権も失ったことになります。
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双方は、今回の分離について、最近のプロトコルの動きを受けたビットコイン採掘の将来像に対する見解の違いが背景にあると説明しています。ただし、共同声明は具体的な提案や方針、個別の争点を示していません。したがって、特定のビットコイン開発が直接の原因だったと断定することはできません。
8月の「一時離脱」が正式な分離へ
今回の合意に先立ち、ダッシュジュール氏は8月、OCEANの会長とCTOの職務から一時的に離れ、ビットコインやオープンソース関連の活動に集中すると表明していました。当時の報道では、あくまで一時的な休職・離脱と受け止められていました。
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8月29日の発表は、それをさらに広範な分離へと正式化するものです。同氏は取締役会からも退き、Mummolinが運営するOCEAN事業の株式も保有しなくなりました。
BIP-110は背景の一部だが、原因とは確認されていない
今回のタイミングは、OCEANが進めたBIP-110関連の変更と重なります。OCEANは7月、BIP-110へのシグナリングを行うbip110エンドポイントと、シグナリングを行わないno-signalエンドポイントを新設しました。また、従来のデフォルト接続先ではBIP-110へのシグナリングを始め、望まない採掘者にはno-signal側へ切り替えるよう案内していました。
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その後、OCEANはBIP-110の必須シグナリング期間を前に、ライトニングネットワークによる報酬支払いを一時停止しました。複数のチェーンの見方が併存する状況では、ライトニング上の支払いが一方の台帳だけで安全に確定・請求できる保証がないためだと説明しています。一方、オンチェーンのTIDESによる支払いは継続されました。
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これらの判断は、今回の見解の相違を考えるうえで重要な状況要因です。特に、ダッシュジュール氏は以前からビットコインのプロトコルやオープンソース開発に重点を置いてきました。しかし、共同声明や引用されたOCEANの資料は、BIP-110が分離の原因だったとは述べていません。確認できる範囲での妥当な結論は、プロトコルや方針をめぐる違いが背景の一部だった可能性はあるものの、具体的な争点は非公開だということです。
OCEANはダッシュジュール氏不在で運営を継続
OCEANは、透明性の高いノンカストディアル型の採掘プールとして、採掘者へのサービスを続けるとしています。発表前後の公開情報には、ダッシュジュール氏が経営陣として掲載されているものもありましたが、その後の報道では同氏の後任は発表されていません。
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一方、直近の採掘実績からは、離脱直後にOCEANが急落したことを示す明確な兆候は確認できません。Mempool.spaceのスナップショットでは、直近1,007ブロックのうちOCEANが29ブロックを採掘し、シェアは2.88%でした。対応する週間ハッシュレートは約25.33 EH/sです。より短い期間では、直近163ブロック中4ブロック、2.45%と記録されています。
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ただし、これらは短期間のブロック生成実績に基づく推計値であり、数値は大きく変動します。このデータだけで採掘者が流出していないと判断することも、CONVOYへの移行が始まったと見ることもできません。
CONVOYは発表済み、運営計画はまだ不明
ダッシュジュール氏が次に取り組むと表明したのが「CONVOY」です。ビットコイン採掘のさらなる分散化を目指す事業とされています。
しかし、現時点で公開されている情報には、実際に稼働する採掘プール、技術文書、手数料体系、開始時期、インフラ計画、OCEANの採掘者やハッシュレートを移す契約に関する説明はありません。
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そのため、商業面で最も注目される点――ダッシュジュール氏の離脱がビットコインの採掘パワーを大きく動かすのか――は、まだ答えが出ていません。CONVOYが運営の詳細を公表するか、採掘者が移行を明らかにするまでは、初期規模を信頼できる形で見積もることは困難です。
なぜ今回の分離が注目されるのか
今回の離脱が通常の経営陣交代以上に注目されるのは、OCEAN自体がビットコイン採掘の分散化を掲げて設立されたプールだからです。ダッシュジュール氏は以前、採掘プールEligiusを創設しており、Mummolinは後にOCEANをその後継として位置づけました。
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Mummolinは2023年、BlockのCEOだったジャック・ドーシー氏が主導する620万ドルのシードラウンドを調達しました。Accomplice、Barefoot Bitcoin Fund、MoonKite、NewLayer Capital、Bitcoin Opportunity Fundも参加し、資金はOCEANの立ち上げや、より広範なビットコイン採掘の分散化に活用されました。
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この経緯を踏まえると、今回の分離は、同じ分散化の理念に近い2つの取り組みが別々の組織から進められる可能性を示しています。ただし、株式買い戻しの価格、ダッシュジュール氏の従来の持ち分、移行期間や競業避止に関する条件、OCEANと関係する主要採掘者がハッシュパワーを移す意向があるかどうかは、いずれも明らかになっていません。
確認できていること、推測にとどまること
確認できていること: ダッシュジュール氏は会長、CTO、取締役の3職を辞任し、Mummolinは同氏の株式をすべて買い戻しました。双方は、ビットコイン採掘の将来像に対する見解の違いを理由として挙げています。OCEANは運営を継続し、ダッシュジュール氏はCONVOYに取り組む方針です。
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まだ分かっていないこと: 買い戻しの金額、同氏が保有していた株式比率、具体的な対立点、CONVOYの開始計画、OCEANから採掘者やインフラが移るかどうかです。
現時点で最も確実に言えるのは、OCEANの経営と所有権をめぐる分離が完了したということです。OCEANの採掘者が一斉に離脱した、あるいはCONVOYへの移行が決まったという事実は、まだ確認されていません。