ロシア下院(国家院)選挙の投票開始と重なった夜、モスクワは戦争中でも最大級とされるウクライナのドローン攻撃を受けたとロシア側が発表した。ドローンの総数や迎撃の結果は、現時点ではロシア当局による発表に基づく。長距離攻撃が前線から遠い首都の日常にも及ぶなか、政治的に重要な投票の初日を直撃した形だ。
3
7
モスクワ市長が発表した内容
モスクワ市のセルゲイ・ソビャニン市長は、9月17日午後8時から18日午前7時にかけて、モスクワおよびモスクワ州へ350機超のドローンが飛来したと述べた。このうち首都への最終接近段階で64機を防空部隊が迎撃・破壊し、残る大半は市街地から離れた地点で無力化したとしている。
3
この警戒で、モスクワの主要な交通拠点の運航にも影響が出たと報じられた。対象にはブヌコボ空港とドモジェドボ空港が含まれる。ただし、運航制限が続いた時間や影響を受けた便数について、利用可能な報道から確かな規模は判断できない。
5
投票所の運営や電子投票にも障害があったとの報道がある。ただ、影響の全容を測る信頼できる数値は示されておらず、個々の技術的な不具合をサイバー攻撃によるものと断定する根拠も十分ではない。
ゼレンスキー氏が発表したロシア国内への別の攻撃
その前日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ヤロスラブリの石油精製所と、ロストフ州の軍用飛行場を攻撃したと明らかにした。飛行場では軍用機とヘリコプターが標的になったというのがウクライナ側の説明だ。
20
またゼレンスキー氏は黒海でも「良い結果」が出たと述べたが、被害の内容や作戦の結果を独立して検証できる詳細は公表されていない。
4
直前にはロシア軍がキーウ周辺を攻撃
モスクワ方面へのドローン飛来の前夜には、ロシア軍がミサイルとドローンでウクライナを攻撃した。ウクライナ当局によると、首都キーウとその周辺で子どもを含む少なくとも19人が負傷した。
20
ウクライナ空軍は、この一連の夜間攻撃にロシアが約160機のドローンに加え、巡航ミサイル、弾道ミサイル、対艦ミサイルを使用したと発表した。
19 キーウ市内と周辺地域では、民間地域、インフラ、建物への被害が報告されている。
20
ゼレンスキー氏は、ロシアがその前の1週間にウクライナへ約2,100機のドローンと78発のミサイルを発射したとも述べた。この数字はウクライナ大統領府側の発表であり、独立した集計による確定値ではない。
26
選挙初日と重なった意味
今回の攻撃は、ロシアが全面侵攻開始後初めて実施した下院選と同時に起きた。定数450の国家院選は3日間の日程で行われ、11の時間帯を持つロシアで最初に極東のカムチャツカとチュクチで投票が始まった。
7
選挙では、プーチン大統領を支える与党「統一ロシア」が優勢を保つと予想されていた。アルジャジーラによると、立候補を登録できたのは戦争を支持する政党に限られ、唯一の反戦政党とされるヤブロコは投票用紙から排除された。
7
ロシアが占領下にあるウクライナ領内でも投票を実施していることについて、ウクライナとそのパートナー国は正当性がないとして非難している。
1
停滞する外交のなかで続く長距離攻撃
攻撃の応酬は、和平に向けた動きが定まらない状況で起きた。ウクライナは、ロシアがウクライナのインフラを攻撃しないことに同意するなら、エネルギー施設への攻撃を相互に停止する案を示していたが、持続的な取り決めには至っていない。
1
翌週にニューヨークで開かれる国連総会に合わせ、ゼレンスキー氏とトランプ氏の会談を準備する動きも進んでいた。
26 またウクライナは、ドネツク州リマン近郊でロシア軍による同市制圧の試みを退け、85平方キロメートルを奪還したと発表した。
26
今回の一連の事態が直ちに戦況を決定づけたわけではない。ただ、ウクライナが政治的に注目度の高い投票期間中のモスクワに圧力をかけ、日常活動を混乱させようとする一方、ロシアもウクライナの都市に対する大規模な航空攻撃を続けていることを示した。
3
19
20